令和6年(2024年)東京都立中高一貫校の募集要綱を分かりやすくご紹介

この記事は、令和6年(2024年)の東京都立中高一貫各校の募集要項についてわかりやすくまとめたものです

この記事を読むことで、下記がわかるようになります。

  • 東京都立中高一貫校受検の特徴
  • 学校ごとの受検の配点や特徴、独自問題など
  • 各学校の配点や独自問題の比較

東京都立中高一貫校の受検に共通するポイントがありますので、まだその点も知らない方は、最初から読んでいただくとより理解しやすいかと思います。

既にそのポイントはご存知の方で志望校が明確な方は、目次からその学校へリンクで飛んでください。

また最後には、学校別の配点や独自問題を比較できる一覧表も作成しました。

情報収集の一助となれば幸いです。

※この記事では、一般入試のみ取り扱っています。

目次

東京都立中高一貫校、受検の特徴

東京都立中高一貫校の受検には、私立型試験とは異なる次のような特徴があります。

  • 「報告書」と「適性検査」の合計点で総合成績とする
  • 報告書点や適性検査の配点や換算方法は、学校によって異なる
  • 適性検査には学校独自の問題と、都立中高一貫校共通作成問題がある
タリジリ

それぞれ詳しくご紹介しましょう!

「報告書」と「適性検査」の合計点で総合成績とする

東京都立中高一貫校受検では、「総合成績」の上位者が合格します。

総合成績とは、「報告書」の点数と「適性検査」の点数を合計したもの。つまり、「報告書」と「適性検査」という

ふたつの得点で合否が決まるということです。

総合点1000点満点のうち、200点が報告書の場合

報告書とはなにか?

この報告書ってなに?

「報告書」は、東京都立中高一貫校を受検する際にしか必要にならないものなので、ご存知ない方も多いかもしれません。

報告書とは、簡単に例えると小学校5年、6年時の内申書のようなもの。学校での成績を得点化したもので、受検票を提出する前に、通っている小学校に発行してもらうものです。

その中には、5年生と6年生の各科目の評定点(3か2か1)が書かれていて、この報告書の評定点をそれぞれの中学が独自の計算をして、報告書の得点とします。

つまり小学校での成績も、総合成績に含まれるのですね。

さらに詳しく知りたい方は、下の記事も併せてご参照ください。報告書の得点を上げる対策などをご紹介しています。

適性検査とは?

適性検査は、いわゆる筆記問題です。

私立中学入試のような国語・算数・理科・社会という教科に分かれた試験ではなくて、適性検査Ⅰの作文と、適性検査Ⅱ、Ⅲの記述問題が出題されます。

適性検査は知識量や学力を計る試験というよりも、長文の会話文の中からポイントを抜き出して計算したり、グラフから読み取れることを論理的な文章で解答したりするなど、次のような力を測るような試験です。

  • 読解力
  • 論理的思考力
  • 記述力

私立型の試験とは異なるため、専用の準備をしなければいけません。

そのため、単純な私立との併願が難しい受検になっています。

報告書点や適性検査の配点や換算方法は、学校によって異なる

都立中高一貫校の合格は、報告書点と適性検査の点数を合わせた「総合得点」で決まります。

この報告書の点数のつけ方や、報告書点と適性検査の点数の割合は、学校によって異なります。

例えば、報告書点の点数を全体の2割にする学校も3割とする学校や、適性検査Ⅲを独自で用意して、その配点を高くしているような学校もあります。

このように、学校によって配点が異なる=学校が考える来てほしい生徒像を反映した検査であると言えそうです。

適性検査には学校独自の問題と、都立中高一貫校共通作成問題がある

適性検査には、東京都の共通作成問題が用意されています。

各学校はすべての適性検査を独自で作成するのではなく、東京都の共通問題をベースに、一部を独自問題に置き換えたり、追加したりして作っているのです。

ベースとなる共通作成問題は、次のような構成です。

適性検査Ⅰ作文 & 国語問題
適性検査Ⅱ大問 1 算数をベースとした問題
大問 2 社会をベースとした問題
大問 3 理科をベースとした問題

各学校はこの一部を入れ替えたり、適性検査Ⅲを独自問題として出題しています。

例えば桜修館さんは、適性検査Ⅰと適性検査Ⅱの大問1=算数問題が独自問題です。

両国さんは、適性検査ⅠとⅡは共通問題をそのまま利用して、さらに独自問題の適性検査Ⅲで算数的な問題を追加しています。

独自問題には、その学校の「こういう問題に取り組める生徒に来てほしい」という想いが現れています。何を独自問題としているかによって、この学校が何を重視しているのかのヒントになるので、志望校に合わせた対策をしましょう。

学校別の募集要綱概要

各学校の受験要綱から、報告書の配点や適性検査の具体的内容を書き抜きました。

なお、特別枠がある学校の場合でも、一般枠募集のみ記載しています。

小石川中等教育(文京区)

小石川中等教育学校の情報です。

公式サイトの令和6年募集要項の概要をまとめました。

総合成績の算出方法

総合成績は、報告書の点数と適性検査の得点をそれぞれ換算したものを加算して算出します。

総合成績は800点満点。その内訳は、以下の通りです。

検査検査得点換算後
報告書点450点200点
適性検査Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ300点600点
合計800 満点

報告書点は5年生、6年生時の点数を併せて450点満点。

適性検査Ⅰ、Ⅱ、Ⅲはいずれも100点満点で、合計300点満点。

それぞれの点数を換算し、800満点の総合点とします。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

報告書の点数化

小石川中等教育学校の報告書は、評定(3、2、1)それぞれについて、以下のとおり点数化されます。

なお、「総合的な学習の時間の記録」等のその他の欄については点数に含まれません。

小石川の報告書得点票

特長をまとめました。

  • 5年生と6年生が対象
  • それぞれ学年の満点が225点
  • 2年間合わせると450点満点
  • 総合成績に反映する際に、この得点を200点満点換算
  • 評定のみから点数化される

適性検査の得点

小石川中等教育学校の適性検査はⅠ、Ⅱ、Ⅲの3つがあって、それぞれ100点満点です。

適性検査Ⅱの社会と、適性検査Ⅲが独自問題。それ以外は東京都の共通問題です。

適性検査Ⅰ作文共同作成問題100点 満点45分
適性検査Ⅱ算数・社会・理科大問1及び大問3は共同作成問題、大問2は独自問題100点 満点45分
適性検査Ⅲ総合独自問題100点 満点45分

総合成績に反映する際に、適性検査Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの点数を足し合わせて、600点満点に換算します。

特長

報告書は、評定3と2の差は25点と20点なので、わずか2割。

しかも450点を200点換算するということは、4.4割程度に圧縮されるので、その差は小さくなります。

あゆみの成績のなかに「大変よい」ではなく「よい」が幾つかあったとしても、適性検査での巻き返しのチャンスは、十分にありそうです。

ただし、報告書の点数は200点/800点なので全体の25%を占めます。日々の学校生活やカラーテストの点数などは意識させてあげましょう。

偏差値的には東京都立中高一貫校で頭一つ抜けている小石川さん、独自問題の難易度はやはり高いです。

記述対策をしっかりとしておきましょう。

都立白鷗高校・付属中学(台東区)

都立白鷗高等学校・附属中学の情報です。

公式サイトの令和6年募集要項の概要をまとめました。

総合成績の算出方法

総合成績は、報告書の点数と適性検査の得点をそれぞれ換算したものを加算して算出します。

総合成績は1000点満点。その内訳は、以下の通りです。

検査検査得点換算後
報告書点360点250点
適性検査Ⅰ100点250点
適性検査Ⅱ100点250点
適性検査Ⅲ100点250点
合計1000点

報告書点は5年生、6年生時の点数を併せて360点満点。

適性検査Ⅰ、Ⅱ、Ⅲはいずれも100点満点で、合計300点満点。

それぞれの点数を換算し、合計1000点満点の総合点とします。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

報告書の取扱い

白鷗高等学校附属学校では、報告書の評定(3、2、1)それぞれについて、以下のとおり点数化されます。

なお、「総合的な学習の時間の記録」等のその他の欄については点数に含まれません。

特長をまとめました。

  • 5年生と6年生が対象
  • それぞれ学年の満点が180点
  • 2年間合わせると360点満点
  • 総合成績に反映する際に、この得点を250点満点に換算する
  • 評定のみから点数化される

適性検査の得点

白鷗高等学校附属学校の適性検査はⅠ、Ⅱ、Ⅲの3つがあって、それぞれ100点満点です。

独自問題は、適性検査Ⅲです。それ以外は東京都の共通問題です。

適性検査Ⅰ作文共同作成問題100点 満点45分
適性検査Ⅱ算数・社会・理科共同作成問題100点 満点45分
適性検査Ⅲ数理的問題独自問題100点 満点45分

総合成績に反映する際に、適性検査Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのいずれも250点満点に換算して、合計750満点とします。

特徴

報告書は、評定3と2の差は20点と10点と「倍の差」があります。評定3=あゆみの成績では「大変よい」が多いことが有利にはなりそうです。

また、要綱が少し変わりました。

まず昨年度と比較して、それぞれの試験の換算が変わりました。

換算後の得点(満点)報告書適性検査Ⅰ適性検査Ⅱ適性検査Ⅲ
令和5年200300300200
令和6年250250250250

報告書の換算点が200点から250点にアップ。また、独自問題である適性検査Ⅲの点数も250点にアップし、適性検査Ⅰ、Ⅱはそれぞれ配点が下がりました。

白鷗さんが令和6年度の試験で重視しているポイントは、小学校での生活と算数ということかもしれません。

一方で、適性検査Ⅰの作文は独自問題から東京都の共通問題に変わりました。適性検査Ⅰの過去問をする際には、小石川さんなど「共通問題」の過去問題集を参考にしてください。

東京都立両国高等学校・附属中学校(墨田区)

東京都立両国高等学校・附属中学校の情報です。

公式サイトの令和6年募集要項の概要をまとめました。

総合成績の算出方法

総合成績は、報告書の点数と適性検査の得点をそれぞれ換算したものを加算して算出します。

総合成績は1000点満点。その内訳は、以下の通りです。

検査検査得点換算後
報告書点720点200点
適性検査Ⅰ100点300点
適性検査Ⅱ100点200
適性検査Ⅲ100点300
合計1000点

報告書点は5年生、6年生時の点数を併せて720点満点。

適性検査Ⅰ、Ⅱ、Ⅲはいずれも100点満点で、合計300点満点。

それぞれの点数を換算し、合計1000点満点の総合点とします。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

報告書の取扱い

東京都立両国高等学校・附属中学校の報告書の取り扱いは、下記の表の通りです。

特長をまとめました。

  • 5年生と6年生が対象
  • それぞれ学年の満点が360点
  • 2年分合わせると720点満点
  • 総合成績に反映する際に、この得点を200点満点に換算する
  • 「評定のみから点数化」されることが明記されていない

「評定のみから点数化」されることが明記されていないため、もしかしたら「総合的な学習の時間の記録」等のその他の欄の内容も反映される可能性もあるかもしれません。

適性検査の得点

東京都立両国高等学校・附属中学校の適性検査はⅠ、Ⅱ、Ⅲの3つがあって、それぞれ100点満点です。

適性検査Ⅲのみ独自問題、それ以外は東京都の共通問題です。

適性検査Ⅰ作文共同作成問題100点 満点45分
適性検査Ⅱ算数・社会・理科共同作成問題100点 満点45分
適性検査Ⅲ科学的・数理的独自問題100点 満点45分

総合成績に反映する際に、適性検査ⅠとⅢは300点満点に、適性検査Ⅱは200点満点に、それぞれ換算して合計800満点とします。

特長

東京都立両国高等学校・附属中学校の報告書は、評定3と2の差は40点と25点と1.6倍の差があります。評定3=あゆみの成績では「大変よい」が多いことが有利にはなりそうです。

ただし、報告書の点数は720点を200点へ3.6分の1に圧縮されるうえ、全体の2割。報告書の点数に自信が無くても、適性検査で挽回しやすい学校であるといえます。

適性検査Ⅰの作文と適性検査Ⅲはそれぞれ100点満点のテストですが、300点と3倍換算されます。

国語能力と共に、理系能力も重視される、学力重視の学校であると言えそうですね。

桜修館中等教育学校(目黒区)

桜修館中等教育学校の情報です。

公式サイトの令和6年募集要項の概要をまとめました。

総合成績の算出方法

総合成績は、報告書の点数と適性検査の得点を換算したものを加算して算出します。

検査検査得点換算後
報告書点450点300点
適性検査Ⅰ200点200点
適性検査Ⅱ500点500点
合計1000点

報告書点は5年生、6年生時の点数を併せて450点満点。

適性検査Ⅰは200点満点、Ⅱは500点満点で、合計700点満点。

報告書の点数を換算し、合計1000点満点の総合点とします。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

報告書の取扱い

桜修館中等教育学校の報告書は、「各教科の学習の記録(5年、6年)」を、以下の表のとおり点数化されます。

なお、「総合的な学習の時間の記録」等のその他の欄については点数に含まれません。

特長をまとめました。

  • 5年生と6年生が対象
  • それぞれ学年の満点が225点
  • 2年間合わせると450点満点
  • 総合成績に反映する際に、この得点を300点満点に換算する

適性検査の得点

桜修館中等教育学校の適性検査はⅠ、Ⅱの2つがあって、700点満点です。

適性検査Ⅰと、算数が独自問題です。

適性検査Ⅰ作文独自問題200点 満点45分
適性検査Ⅱ算数・社会・理科大問1(算数)が独自問題、大問2と3は共同作成問題500点 満点45分

特長

桜修館の特長は、報告書の点数が全体の3割も占めるという点です。

さらに報告書点数も、評定3(25)に対する評定2(17)の割合が68%。

報告書の成績が良いと有利なので、小学校での授業をしっかりと受けておくことが効果的と言えそうです。

適性検査Ⅱが500点もの配点があるので、しっかりと得点を取りたいところ。算数が独自問題なので、算数対策はしっかりと進めておく必要がありそうです。

東京都立富士高等学校附属中学校(中野区)

東京都立富士高等学校附属中学校の情報です。

公式サイトの令和6年募集要項の概要をまとめました。

総合成績の算出方法

総合成績は、報告書の点数と適性検査の得点をそれぞれ換算したものを加算して算出します。

総合成績は1000点満点。その内訳は、以下の通りです。

検査検査得点換算後
報告書点450点300
適性検査Ⅰ100点200
適性検査Ⅱ100点200
適性検査Ⅲ100点300
合計1000点

報告書点は5年生、6年生時の点数を併せて450点満点。

適性検査Ⅰ、Ⅱ、Ⅲはいずれも100点満点で、合計300点満点。

それぞれの点数を換算し、合計1000点満点の総合点とします。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

報告書の取扱い

東京都立富士高等学校附属中学校では、報告書の「各教科の学習の記録」について、以下の表のとおり点数化されます。

特長をまとめました。

  • 5年生と6年生が対象
  • それぞれ学年の満点が225点
  • 2年間合わせると450点満点
  • 総合成績に反映する際に、この得点を300点満点に換算する
  • 「評定のみから点数化」されることが明記されていない

「評定のみから点数化」されることが明記されていないため、もしかしたら「総合的な学習の時間の記録」等のその他の欄の内容も反映される可能性もあるかもしれません。

適性検査の得点

東京都立富士高等学校附属中学校の適性検査はⅠ、Ⅱ、Ⅲの3つがあって、それぞれ100点満点です。

適性検査Ⅲの算数的な問題が、独自問題です。

適性検査Ⅰ作文共同作成問題100点 満点45分
適性検査Ⅱ算数・社会・理科共同作成問題100点 満点45分
適性検査Ⅲ算数独自問題100点 満点45分

総合成績に反映する際に、適性検査ⅠとⅡは200点満点に、適性検査Ⅲは300点満点に、それぞれ換算して合計700満点とします。

特長

東京都立富士高等学校附属中学校の特長は、報告書の点数が全体の3割も占めるという点です。

さらに報告書点数も、450点満点を300点換算と圧縮率が他校に比べて低いため、報告書が非常に重視されていることがわかります。

報告書の成績が良いと有利なので、小学校での授業をしっかりと受けておくことが効果的と言えそうです。

共通問題Ⅲが算数で独自問題で、300点の配点。算数が重視されていることがわかります。

大泉高等学校附属中学校(練馬区)

大泉高等学校附属中学校の情報です。

公式サイトの令和6年募集要項の概要をまとめました。

総合成績の算出方法

総合成績は、報告書の点数と適性検査の得点をそれぞれ換算したものを加算して算出します。

総合成績は1000点満点。その内訳は、以下の通りです。

検査検査得点換算後
報告書点540点300
適性検査Ⅰ100点200
適性検査Ⅱ100点200
適性検査Ⅲ100点300
合計1000点

報告書点は5年生、6年生時の点数を併せて540点満点。

適性検査Ⅰ、Ⅱ、Ⅲはいずれも100点満点で、合計300点満点。

それぞれの点数を換算し、合計1000点満点の総合点とします。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

報告書の取扱い

大泉高等学校附属中学校では、報告書の「各教科の学習の記録」の各教科の評定に基づいて、下記表のとおり点数化されます。

「観点別学習状況」、「総合的な学習の時間の記録(第6学年)」、「特別活動の記録」、「行動の記録」、「総合所見」の欄については点数に含まれません。

特長をまとめました。

  • 5年生と6年生が対象
  • それぞれ学年の満点が270点
  • 2年間合わせると540点満点
  • 総合成績に反映する際に、この得点を300点満点に換算する
  • 評定のみから点数化される

適性検査の得点

大泉高等学校附属中学校の適性検査はⅠ、Ⅱ、Ⅲの3つがあって、それぞれ100点満点です。

独自問題は適性検査Ⅲの、算数的な問題です。

総合成績に反映する際に、適性検査ⅠとⅡは200点満点に、適性検査Ⅲは300点満点に、それぞれ換算して合計700点とします。

適性検査Ⅰ作文共同作成問題100点 満点200点満点45分
適性検査Ⅱ算数・社会・理科共同作成問題100点 満点200点満点45分
適性検査Ⅲ算数独自問題100点 満点300点満点45分

特長

大泉高等学校附属中学校の特長は、報告書の点数が全体の3割も占めるという点です。

さらに報告書点数も、評定3(30)に対する評定2(20)の割合が66.6%。できるだけ評定3が欲しいところ。

報告書の成績が良いと有利なので、小学校での授業をしっかりと受けておくことが効果的といえそうです。

適性検査ⅠとⅡが共通問題。共通問題Ⅲが算数で独自問題。

適性検査ⅡとⅢで、算数問題が出題されます。特にⅢは大問が2つあって、両方とも算数問題。総合得点も3倍になるので、しっかりとした算数の力を問われているのが分かります。

算数の準備が大切ということが言えそうです。

南多摩中等教育学校(八王子市)

南多摩中等教育学校の情報です。

公式サイトの令和6年募集要項の概要をまとめました。

総合成績の算出方法

総合成績は、報告書の点数と適性検査の得点をそれぞれ換算したものを加算して算出します。

総合成績は1000点満点。その内訳は、以下の通りです。

検査検査得点換算後
報告書点360点200
適性検査Ⅰ+Ⅱ(Ⅱは得点を2倍にする)300点800
合計1000点

報告書点は5年生、6年生時の点数を併せて360点満点。

適性検査Ⅰ、Ⅱはいずれも100点満点で、適性検査Ⅱは得点を2倍にして合計300点満点。

それぞれの点数を換算し、合計1000点満点の総合点とします。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

報告書の取扱い

南多摩中等教育学校では、報告書の「各教科の学習の記録」の評定欄に記載された、3、2、1の評定以下の表のとおり点数化されます。

特長をまとめました。

  • 5年生と6年生が対象
  • それぞれ学年の満点が180点
  • 2年間合わせると360点満点
  • 総合成績に反映する際に、この得点を200点満点に換算する

適性検査の得点

南多摩中等教育学校の適性検査はⅠ、Ⅱの2つがあります。いずれも100点満点ですが、適性検査Ⅱは得点を2倍します。

適性検査Ⅰの作文が、独自問題です。

適性検査Ⅰ作文独自問題100点 満点45分
適性検査Ⅱ算数・社会・理科共同作成問題100点 満点×245分

総合成績に反映する際に、適性検査ⅠとⅡの合計300点満点を、800点満点に換算します。

特長

南多摩中等教育学校の特長は、適性検査Ⅰ(作文)の割合が高いということです。全体の中で26.6%を占めます。

この適性検査Ⅰだけが独自問題ですので、この作文の出来を注視していると言えるでしょう。

報告書点数は全体の20%。全体の中での割合は低いものの、評定3が20点なのに対して評定2が10点と評定3と2の差が大きいので、小学校での成績も重視しましょう。

立川国際中等教育学校(立川市)

立川国際中等教育学校の情報です。

公式サイトの令和6年募集要項の概要をまとめました。

総合成績の算出方法

総合成績は、報告書の点数と適性検査の得点をそれぞれ換算したものを加算して算出します。

総合成績は1000点満点。その内訳は、以下の通りです。

検査検査得点換算後
報告書点360点250
適性検査Ⅰ100点250
適性検査Ⅱ100点500
合計1000点

報告書点は5年生、6年生時の点数を併せて360点満点。

適性検査Ⅰ、Ⅱはいずれも100点満点で、合計200点満点。

それぞれの点数を換算し、合計1000点満点の総合点とします。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

報告書の取扱い

立川国際中等教育学校では、報告書の「各教科の学習の記録(5年、6年)」の評定を、以下のとおり点数化します。

なお、「総合的な学習の時間の記録」等のその他の欄については点数に含まれません。

特長をまとめました。

  • 5年生と6年生が対象
  • それぞれ学年の満点が180点
  • 2年間合わせると360点満点
  • 総合成績に反映する際に、この得点を200点満点に換算する

適性検査の得点

立川国際中等教育学校の適性検査はⅠ、Ⅱの2つがあって、それぞれ100点満点です。

適性検査Ⅰの作文問題が、独自問題です。

適性検査Ⅰ作文独自問題100点 満点45分
適性検査Ⅱ算数・社会・理科共同作成問題100点 満点45分

総合成績に反映する際に、適性検査Ⅰを250点満点に、適性検査Ⅱを500点満点に、それぞれ換算して合計750満点とします。

特長

立川国際中等教育学校の特徴は、報告書の配点が全体の25%と若干高めであるということです。

適性検査Ⅰの作文と同じ配点となっています。

報告書は、評定3が20点なのに対して評定2が10点と、評定3と2の差が大きいので、できるだけ各教科で評定3をもらえるように、小学校での成績も重視しましょう。

適性検査Ⅰの作文が独自問題です。作文を重視しているのですね。

全体の50%を占める適性2は、全て都立共通問題です。しっかりと対策をしておきましょう。

東京都立武蔵高等学校・附属中学校(武蔵野市)

東京都立武蔵高等学校・附属中学校の情報です。

公式サイトの令和6年募集要項の概要をまとめました。

総合成績の算出方法

総合成績は、報告書の点数と適性検査の得点をそれぞれ換算したものを加算して算出します。

総合成績は1600点満点。その内訳は、以下の通りです。

検査検査得点換算後
報告書点450点400
適性検査Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ300点1200
合計1600

報告書点は5年生、6年生時の点数を併せて450点満点。

適性検査Ⅰ、Ⅱ、Ⅲはいずれも100点満点で、合計300点満点。

それぞれの点数を換算し、合計1600点満点の総合点とします。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

報告書の取扱い

東京都立武蔵高等学校・附属中学校では、報告書の「各教科の学習の記録」について、以下のとおり点数化されます。

なお、「総合的な学習の時間の記録(第6学年)」、「特別活動の記録」、「行動の記録」、「総合所見」の欄については点数に含まれません。

特長をまとめました。

  • 5年生と6年生が対象
  • それぞれ学年の満点が225点
  • 2年間合わせると450点満点
  • 総合成績に反映する際に、この得点を400点満点に換算する
  • 評定のみから点数化される

適性検査の得点

東京都立武蔵高等学校・附属中学校の適性検査はⅠ、Ⅱ、Ⅲの3つがあって、それぞれ100点満点です。

適性検査Ⅱの社会の問題と、適性検査Ⅲが独自問題です。

適性検査Ⅰ作文共同作成問題100点 満点45分
適性検査Ⅱ算数・社会・理科大問1及び大問3は共同作成問題、大問2は独自問題100点 満点45分
適性検査Ⅲ数理問題独自問題100点 満点45分

総合成績に反映する際に、適性検査Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの合計点を4倍して1200点満点に換算します。

特長

東京都立武蔵高等学校・附属中学校の特徴は、報告書の配点が全体の25%と若干高めであるということです。

また、報告書の点数が450満点であるのに対して、換算値が400点と圧縮率が小さくて、報告書の得点が大きくかかわることがわかります。

ですが、評定3が25点なのに対して評定2が20点と、評定3と2の差が小さいので、報告書で評定2が多くなりそうでも適性検査で挽回しやすいと言えるでしょう。

適性Ⅱの社会問題、適性Ⅲの算数・理科の問題が独自問題です。満遍なく学力を重視している傾向が分かりますね。

三鷹中等教育学校(三鷹市)

三鷹中等教育学校の情報です。

公式サイトの令和6年募集要項の概要をまとめました。

総合成績の算出方法

総合成績は、報告書の点数と適性検査の得点をそれぞれ換算したものを加算して算出します。

総合成績は1000点満点。その内訳は、以下の通りです。

検査検査得点換算後
報告書点720点200
適性検査Ⅰ100点300
適性検査Ⅱ100点500
合計1000点

報告書点は5年生、6年生時の点数を併せて720点満点。

適性検査Ⅰ、Ⅱはいずれも100点満点で、合計200点満点。

それぞれの点数を換算し、合計1000点満点の総合点とします。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

報告書の取扱い

※三鷹中等教育学校の募集要項には、報告書の配点の表がありませんでした(2023年9月12日現在)
 掲載され次第、こちらにもアップいたします。

報告書の満点は720点であることは、明記されていました。

総合成績に反映する際に、この得点が200点満点に換算されます。

適性検査の得点

三鷹中等学校の適性検査はⅠ、Ⅱの2つがあって、それぞれ100点満点です。

独自問題は、適性検査Ⅰの作文と適性検査Ⅱの算数です。

適性検査Ⅰ作文独自問題100点 満点45分
適性検査Ⅱ算数・社会・理科大問1算数が独自問題、大問2と3は共同作成問題100点 満点45分

総合成績に反映する際に、適性検査Ⅰを300点満点に、適性検査Ⅱを500点満点に、それぞれ換算して合計800満点の点数とします。

特長

立川国際中等教育学校の特徴は、作文(適性検査Ⅰ)の配点が3割を占めるということです。

さらにその問題も独特で、詩が含まれるのも特徴です。

作文対策は必須になりそうです。

報告書の配点は720点満点を200点に圧縮されます。少しぐらい報告書が悪くても適性検査で挽回できる配点ですので、受検までの勉強を頑張りましょう!

【比較用】学校別配点・独自問題一覧表

各都立中高一貫校の配点と独自問題について、一覧表としました。

志望校が2つ以上ある場合、傾向を比較する参考にしていただだければ嬉しいです。

東京都立中高一貫校の報告書・配点の比較

各学校の総合成績の中の下記割合をグラフ化しました。

  • 報告書
  • 適性検査Ⅰ
  • 適性検査Ⅱ
  • 適性検査Ⅲ

青の幅が広い=報告書の配点の高い学校を意味します。小学校生活から頑張って、報告書点を上げられると良いですね。

適性検査Ⅲ(黄色部分)が無い学校もあります。下記の独自問題を参考にして、優先度を上げて準備する範囲を確認してください。

東京都立中高一貫校の独自問題

都立中高一貫校の適性検査には、共通で用意された問題と、それぞれの学校が独自に用意した問題の両方が使われます。

それぞれの学校の独自問題に◯をつけました。

適性検査Ⅰ
作文
適性検査Ⅱ大問1
算数
適性検査Ⅱ大問2
社会
適性検査Ⅱ大問3
理科
適性検査Ⅲ
理数
小石川中等教育
白鷗中高一貫
両国高等学校・附属中学校
桜修館中等教育無し
富士高等学校附属中学
大泉高等学校附属中学
南多摩中等教育無し
立川国際中等教育無し
武蔵高等学校・附属中学
三鷹中等教育無し
◯が独自問題、空欄は共通問題、”-“はテスト無し

どの問題を独自問題としているのかで、学校ごとの重視している点が見えてきます。

適正3がない学校は全ての学校で、作文が独自問題になっています。国語力を重視しているのでしょう。

志望校がどのような生徒に来て欲しいのか、参考になるはずです。

まとめ

この記事では、令和6年(2024年)の東京都立中高一貫校の各校の受験要綱の内容をまとめました。

都立中高一貫校の特長である報告書についても、配点が各校で違うことがわかりますね。

志望している学校が、報告書をどれぐらい重視しているかで、小学校時代の取り組み方も変わりそうです。

また学校が用意した独自問題は、その学校が重視している力であると言えるでしょう。特に力を入れて力を付けることで、有利になることでしょう。

今回の記事が、志望校に合った受検に向けた準備の手助けになると幸いです。

※この記事の内容は、2023年9月13日現在のものです。
 内容が変わることもあり得ますので、最新情報はリンクから志望校の公式サイトをご確認ください。

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