【公立中高一貫校受検】なんで難しいって言われるの?理由3選+受検のメリットもご紹介!

公立中学・高校の学費で、私立レベルの教育を6年間に渡って受けることのできる公立中高一貫校

とても魅力のある学校ですので、注目されているパパさんママさんも多くいらっしゃると思います!

いっぽうで、公立中高一貫校受検は難しいと言われているのはご存知でしょうか?

なんで難しいって言われるの?

この記事では、公立校受検を経験した保護者の視点から、「公立中高一貫校受検のどんなところが難しいの?」をまとめました。

早速ですが、結論としては次の3つのポイントが大きいと考えています。

  • 倍率が高い!
  • 適性検査型のテストが特殊である
  • 報告書対策が必要
タリジリ

それぞれについて、説明いたします!

この記事の内容については、動画でも説明しています。聞き流し用なので、家事のお供にでもご利用ください。

目次

理由その1:倍率が高い

まず、公立中高一貫校は倍率が高いという特長があります!

タリジリ

倍率というのは、”何人にひとり合格する”という指標です。

例えば2024年の東京都立中高一貫校入試の場合、倍率は3.8倍前後

計算上は、約4人受けて受かるのは1人。ちなみに、一般的な私立校受検の倍率は2倍前後。公立中高一貫校の倍率の高さがおわかりいただけるかと思います。

下の図は東京都のHPから抜粋した、令和6年度都立学校の受検状況です。右下に集計されていますが、3.82という数字。数年前に比べると少し下がっているのですが、それでも高いですよね。

令和6年東京都立中等教育学校及び東京都立中学校入学者決定受検状況
Screenshot

人気があるし、受検料も安いので受検者数も多いのでしょう。そのうえ募集人員も私立に比べると少ないので、こういった倍率になっているのだと思います。

タリジリ

ただ、特に男子の倍率は年々下がってはきています。

少し前までは7倍ある学校も珍しくなかったので、落ち着いてきたのかもしれません。

それでも、都立に通っている息子が言うには「塾無しの合格は、自分を入れて二人しかいない」とのことなので、しっかりと対策をした児童の中での3.8倍は簡単ではないでしょう。

しかもこの倍率にもかかわらず、同じ自治体での入試は同じ日に行われます。例えば都立中高一貫校は、11校全て2月3日の午前に一度きりの受検になります。

チャンスは一生に一度しかないうえに併願もできないんですね。

5回受けて5回合格するぐらいの力を付けないと安心できない。そういう難しさがあるのです。

タリジリ

じゃあどうやってそれだけの力を付けられるかというと・・これがまた難しいのです。。

なぜかというと、適性検査というのが特殊であるため。次はこの適性検査の難しさについて、ご説明します。

理由その2:適性検査対策が難しい

適性検査とは?

公立中高一貫校の筆記試験は、適性検査と言われるものです。

これは筆記試験であることには変わりがないのですが、一般的ないわゆる国語・算数などの四教科型とは大きく異なるものでして、次のような特徴のものです。

  • 科目に分けられていない
    国語、算数などではなく、適性検査1、適性検査2という試験
  • 問われる知識は、小学校の教科書の範囲を越えない
  • 問題発見能力・問題解決能力などを評価する
  • 記述式である
  • 作文(小論文)がある

さらに哲学的な文章を読み解く読解力や、これまでの体験から「何を学びどう活かすか」など、人間としての成熟度を測るような問題もあります。

参考までに、東京都立の小石川中等学校の過去問のリンクを貼りました。都立中高一貫校のなかで最も難易度の高い学校です。ぜひ一度ご覧になってみてください。

もちろん学校によって難易度も内容も異なるのですが、適性検査という試験はこのように、一般的な学力試験とは異なる問題なのです。

適性検査は、勉強がしづらい

この適性検査、素人の親塾では教えづらいのです・・。

適性検査型は明確な解答が無い

適性検査問題は記述式であり、明確な答えが無い場合が多くあります。

適性検査型比較されるのが、私立型と言われる一般的な四教科型試験なのですが、これは一問一答形式で、問題に対して答えが決まっているもの。

例えば計算問題って、答えは決まっていますね。知識問題も同様です。

答えが決まっている、つまり正解がわかるということ。素人の親でも教えてあげられやすいのです。

ところが問いに対して答えが決まっているような、計算問題や知識問題は出題されません。

適性検査は基本的には記述式で、論理的思考力や記述力などが問われます。

問いに対する正解がひとつでないため、親が答えを明確にできない場合、丸つけや考え方を教えてあげることが難しいわけなのです。

学力が測りづらい

また私立で出題されるような問題は、知識を多く身につけて、一問一答形式であったりその知識を組み合わせて応用して解くような問題が中心ですよね。

こういった問題の試験であれば、これぐらいの知識があれば、これぐらいの学力になっているということが判断しやすいため、学力を「偏差値」という数字を使って表しやすいもの。

「このレベルの学校に受かるためには、これぐらいの偏差値を身に付けましょう。そのためには〜」という勉強の方法も確立しているので、勉強のやり方が明確ですし偏差値などで合否の目処が立てやすくもなるのです。

いっぽう、適性検査で問われることは単純な学力ではありません。

読解力・思考力・問題解決能力・文章力など総合的な能力が問われます。これらは数値化しづらい能力ですよね。

そのためこれを解ける学力が付けば合格率何%!という基準が作りづらいのです。

適性検査型試験でも、模試があって偏差値が出ます。ですが、あまりアテにならないというのが実態です。
適性検査は学校ごとの出題傾向も大きく異なるため、受けた模試が志望校の傾向と一致しないことが多いためです。
ウチの息子も、試験直前最後の模試(12月)では、偏差値30台というビックリ数字でした・・。

データが少ない

多くの公立中高一貫校は、合格者に関する適性検査のデータ(合格最低点など)を公表していないません。

そのため親塾では、過去問題から出題傾向をつかんで準備するぐらいしか対策方法が見当たらないのです。

志望校に専門的に取り組んでいるような塾でもなければ、どのような勉強をすれば合格できるなどの対策が立てにくくて、この準備が正しかったかどうかは試験当日に問題を見るまでわからないかも、という怖さがあるのです。

中学受験は「もう一度試検をすれば半分は合格者が入れ替わる」なんて言われることがありますが、適性検査は私立型よりもはるかにその割合が高いのではないでしょうか。

データが少ないため、どのような勉強をすればいいのかを把握できず、これも勉強がしづらいと感じる原因です。

小論文がある

多くの学校では、試検の最初に行う適性検査1で作文問題があります。

”作文”とは書いていますが、実際には小論文といえる難易度

本文を読んで筆者の主張を理解する読解力と共に、それに対する自分の考えを持ち、それを体験談などを交えながら論理だてて書く記述力も必要になります。

小学校で書くような”思い出”や”読書感想文”といった作文とは異なり、専用の練習が必要です。これには小論文を添削できる先生や親の存在も必須になりますね。

小論文問題がある。

これも適性検査の難しさです。

理由その3:報告書対策が必要

公立中高一貫校の入学選抜の特長として、報告書対策が必要という難しさもあります。

報告書とは、5~6年生の通知表の成績を点数化したものです。
6年生の3学期に、担任の先生にあゆみの成績を元に作成していただき、それを願書と併せて提出します。

この報告書の点数+筆記試験である適性検査の点数が、入試の得点となるのです。

報告書の占める割合は、全体の2割程度としている学校が多いようです。

つまり試験が1000点満点の場合、
報告書が200点満点、
筆記適性検査が800点の配点となります。

100点のうち20点は既に確定していると考えると、とても大きいですよね。
報告書が3割を占める、なんていう学校もあるんですよ。

そして、合格を争うような生徒の報告書の点数は、ほぼ満点とも言われています(公式に開示はされていませんが、常識的にそう考えられます)。
まともに勝負するためには、5~6年生ではあゆみでほとんどすべてを「大変よい」にする必要がある、つまり小学校での成績や授業態度も気を使わなければいけない、とうことなのです。

これは本番の試検一発で勝てばよい私立型試験とも違う大変さがありますよね。

なお、報告書については別の記事に詳しくまとめていますので、興味がありましたら併せて、下記ボタンからご覧ください。

🔗報告書って何?いつ提出?から、得点を上げる具体的対策まで!

都立中高一貫校に関しては、全ての学校の報告書の割合を纏めているので、詳しく知りたい方は下記ボタンから確認してみてください。

🔗東京都立中高一貫校、学校別の報告書・適性検査問題の配点まとめ

公立中高一貫校受検の良いところ

ここまで、公立中高一貫校の難しさについてお伝えしてきました。

うちの子には合格なんて絶望的・・

なんて感じるかもしれません。

我が家もそうでした。。というか、6年生の受検直前まで「合格には届かないよな」なんて感じながら勉強していたほど。

タリジリ

でも、実際に取り組んでみると適性検査ならではのよいところも多く感じられました!

私が感じた、公立中高一貫校受検のメリットについてもご紹介しますね。

勉強量は私立ほどは不要であること

勉強量は、私立ほどは不要であること。そのため、トータルの勉強時間は比較的短くてすむので、毎日遅くまで勉強が必要、ということはありませんでした。

適性検査では、知識は小学校の教科書レベルでOKです。

私立のような、日本中の地理を覚えたり、歴史の年号などの記憶も不要。

つまり覚えなければいけない(暗記)量は多くないので、学習時間そのものを短くできるのです。

睡眠時間を削って頑張るような必要もありません。

我が家では6年生でも、夜は9時に寝て6時に起きる生活ができていました。

勉強時間が長すぎないこと。これはメリットだと感じました。

体験・経験・知識もプラスになること

ずっと勉強だけに時間を費やすのではなくて、体験・経験から学ぶことや社会を知って視野を広げることが適性検査には大切です。

適性検査の問題では、幅広いテーマで問題が出題されるため。テレビや動画であっても、そういった楽しみの中で見聞きして覚えていることが、問題の理解に繋がったりすることがあるのです。

また、体験することや表現することが大切なので、家族でのお出かけや会話することも受検へはプラスになります。

習い事も受検を機にやめてしまうのではなく、むしろ続けることでメリットになる面もあるんですよ

習い事に取り組んでいる中で得られる様々な体験、例えば成功体験や悔しい思いを克服したこと、などが作文の題材にしやすいからです。

「習い事は続けるのをオススメ」というテーマについてまとめた記事がありますので、ご興味があれば併せて下記リンクからご覧ください。

🔗公立中高一貫校受検では、「習い事」は辞めなくていい。というかむしろ続けることをオススメする理由

タリジリ

つまり、それほど無理をさせずに準備ができる試検なんです。

中学生になったら親と一緒にいられる時間も少なくなるでしょう。

受検勉強をしつつも、小学生最後の時間を家族で余裕を持って過ごせるとしたら素敵ですよね。

公立中高一貫校受検の何が難しいか、まとめ

公立中高一貫受検のどういったところが難しいのか、もう一度まとめます。

  • 倍率が高い!
  • 適性検査型のテストが特殊
  • 報告書がある

難しい試験ではありますが、むしろやりやすい面があることもご紹介しました。

時間的にあまり無理させなくても良かったり、習い事や旅行などもプラスになる面があるという点もメリットですよね。

そして、さんざん「対策を立てづらい」とは書きましたが、ちゃんと力を付ける方法はあります!我が家も塾無しで、親塾でも合格できました。

タリジリ

我が家で試行錯誤してきたことを、このブログではどんどんお伝えできればと思います!

合否の結果に関わらず、お勉強をする目的として公立中高一貫校合格を目指すのはとても良いと考えています。塾代などをかけずとも、学力や教養を身に着けられる取組みであるからです。

公立中高一貫校受検をするか、参考になれば嬉しいです。

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