お子さまが中学受験することを決めた場合、習い事との両立はできるのか?問題がありますよね。
一般的には4年生や5、6年生に進級する時、あるいは6年生の夏休みが天王山などと言われますので、そこでいったん区切りをつけるご家庭も多いかと思われます。
うちの子は習い事楽しんでいるし、私たちも続けさせてあげたい。
でも勉強時間は確保しなければいけないし、負担も増えてきたし・・
特に上位校を目指すご家庭では、大きな問題なのではないでしょうか。
公立中高一貫校受検である我が家の場合、この問題はこんな結論になりました。
習い事は続けさせてあげましょう。むしろ続けた方が良い!
ざっくりとした理由は、次のふたつです。
- 公立中高一貫校受検の勉強量がそこまで多くないこと
- 習い事を通じて体験することが、むしろ作文などの対策に有効であること
我が家の例を簡単にお伝えしますと、受検生の息子はサッカーチームに所属しているので、土日や休日は半日以上参加します。
一方で、それ以外の習い事は辞めました。例えば1年生から続けてきたサッカースクールは、10月いっぱいでいったん休会することに。
結果として、サッカーチームはすべての大会に出場して、卒団まで続けることができました。
そして、その経験もむしろ合格の一助になってくれたと感じています。
受検と習い事を両立している我が家の考え方を、保護者目線から紹介させてください。
公立中高一貫校受検は、勉強時間が短くてOK!
まず大前提としまして、公立中高一貫校受検は私立型受験に比べると、勉強時間を少なくできるというポイントがあります。
もちろん、学校の難易度によります!
一般的にという前提で読んでいただければ
私立型の場合は多くの知識が必要になったり、沢山の演習問題をこなして様々なパターンへの準備が必要になるなど、量をこなして引き出しを増やす勉強が必要になります。
やればやるほど力が付くのでどうしても時間をかけた準備が必要になるのです。
一方の公立中高一貫校の適性検査の場合。
原則として、知識は学校で学ぶ範囲ですし、知識そのものを問われる問題はほとんどありません。例えば日本史の年号を問われるような問題や元素記号を答えるような問題は出題されないのです。
繰り返して「覚える」という作業は、非常に少なくて済むのが適性検査です。勉強の内容もパターン演習というよりは、論理的な思考やアウトプット(記述)を伸ばすことが多くを占めるため、集中して短時間の勉強が効果的です。
実際、我が家でも宿題と今日の勉強を終わらせたうえでゲームも少しやって(笑)、21時に寝るという生活を最後までやりきりました。それぐらい勉強にかかる時間は少なかったのです。
つまり、私立型受験に比べて必要となる学習時間はが短くて良いので、習い事に当てる時間が取りやすいのです。
「体験」が作文対策に有効
公立中高一貫校受検では、多くの学校で作文(小論文)が出題されます。
作文は与えられたテーマに沿って自分の考えを論理的に書く必要がありますが、そのネタに習い事で得た体験が使えるのです。
たとえば次の問題は、2021年の群馬県の某公立中高一貫校の作文出題です。
(略)
この二つを大切にして、ひとりの人間として成長していくためには、
何が必要だと思いますか?
二つの文章をふまえ、説明しなさい。
すごく難しいですよね。
単に読解問題に答えるのにくらべて、非常に難しいですよね。
こういった作文を時間の限られた本番試験で書くには、ある程度のネタの準備が必要になりますが、そのネタとして、体験談を使うことが多くあります。子供たちがこれまでに体験したこと、そしてそこから何を感じたり学んだりしたのか。
この体験を得るためにも、習い事というのはとても有効なのです!
習い事は、それを続ける中で様々な体験ができますよね。
- 最初できなかったことが出来るようになるという成長体験
- 努力したにもかかわらず目標を達成できなかった挫折体験
- 課題を克服した成功体験
- 継続する難しさ、大切さに気付いた体験
などなど、ここに書ききれないほどの体験や心が動いた瞬間を感じると思うのです。
こういった体験は、そのまま作文のネタになります。
特に中学受験では素直なポジティブな作文が期待されるので、こういった体験は親和性が高いのです。
息子も、サッカーでキャプテンとしての苦労→解決法などを鉄板のネタにすることが多く、得意ネタがあるのは作文練習の心の負担を減らしてくれたと思います。
本番試験では、習い事ではないネタを書いたそうですが、得意なネタがあることで作文練習がはかどり、最後には本番で時間が余るほど得意になったのです。
習い事は続けながら体験を積むことは、本人の成長のみならず作文のネタにもなる!そのため、続けてよかったと感じています。
続けた習い事と、辞めた(休会した)習い事
習い事を続けるメリットについてお伝えしてきましたが、辞めたものもあります。
具体的には、我が家では息子は土日にはサッカーチームがあり、平日には月曜日のサッカースクールと水曜日の水泳を習っていました。このうち、平日の習い事をやめたのです。
通塾していない我が家では、週単位で勉強のやることを決めていました。最初は、習い事のある日と無い日で勉強を変えたりしていたのですが、平日は学校があって宿題をやって、そのあとに日によってルーティンが異なると勉強を習慣化しにくくなってしまったのです。
平日は、毎日同じことを習慣化する。土日は学校が無いから、別のことができる。そのような理由で休日のサッカーを残した、というのが大きな理由です。
別の理由として、疲れがあります。水泳に関してはかなり疲れるらしく、終わった後に眠くなってしまうので、水泳の日は勉強の目途が立たなくなってしまったことも辞めた理由でした。
サッカースクールは友達も多かったので、続けたいという想いがあったようです。一方、サッカースクールは月曜日なので、この日だけ平日のルーティンが変わってしまうのが親子共に大変だったこと。また、土日月と3日間連続で運動をするのが疲労に繋がってしまうこともあって、続けないことにしました。ただ、サッカースクールは問い合わせると休会が可能だったので、11月から2月まで休会しました。2月、受験を終えて復帰できたことはとても嬉しかったようです。
時期によって勉強面でも精神面でも負担が変わってきます。その辺りの疲労が大変そうであれば、習い事を減らすことも検討した方が良いかもしれません。
こういった時間や精神面のマネジメントなどは、保護者のお仕事ですね!
まとめ
まとめます。
公立中高一貫校受検では、保護者目線で習い事は継続して大丈夫と考える理由は、次の2点です。
- 公立中高一貫校受検の勉強量がそこまで多くないこと
- 習い事を通じて体験することが、むしろ作文などの対策に有効であること
習い事は本人の成長にも影響を与えてくれますし、それがそのまま作文のネタになったり、公立中高一貫校受検に向けた成長にも活かされると感じています。
ただし、習い事には時間や疲労などの制約も出ますのでそのマネジメントは必要ですし、その際に負担が大きすぎる場合には減らすことも検討するべきだとも思います。
我が家では最終的に、所属しているサッカーチームだけは続けて、他の習い事は辞めるか受検がおわるまで休会しました。
我が家の経験がお役に立てましたら幸いです。
質問などあればお気楽に!