【親塾】保護者によるの作文添削の方法「基本編」【公立中高一貫校】

多くの公立中高一貫校は、受検で作文が出題されます。

作文とはいえ、実際には小論文。小学生が一人で上達するのなんて非常に難しいもの。

子どもが書いた作文は、他者(親塾の場合は保護者)による添削が必須と言えます。

でも、作文って私も苦手で・・

添削の方法がわからない

そうなんです。作文って何が正解かわからないから、添削も難しいですよね。

何かしらの基準が欲しいところ。

この記事はそのようなパパさんママさんに向けて、作文の添削方法について、「基本中の基本」をお伝えします。

この「基本」というのは、公立中高一貫校の作文に限らずあらゆる文章のルールです。

内容や論理的な文章などの「公立中高一貫校作文で高得点を狙うための書き方」の前に、「まずは作文のルールに則った文章が書ける」ためのルールをしっかりと身につけること。

そのためのルールや添削方法について、我が家のやり方をお伝えします(筆者は一応、元ライターです)。

国語、作文が大の苦手だった長男は、最終的には適性検査本番で7割の点数を取ることができるようになりましたが、スタートはまずここからでした。

長女にも、作文対策最初に教えている文章の基本的なルールを、7つにまとめています。

まずは基本から、というご家庭の保護者の方はぜひこのページを参考になさってください。

目次

文部科学省の【よい文章を書くための15か条】

基本編を開始する前に、実は文部科学省が「よい文章を書くための15か条」をHP公開しているので、それをご紹介します。

補習授業校教師のためのワンポイントアドバイス集
10-6「よい文章を書くための15か条」

初級1 .「わたしは/ぼくは」をいちいち書かない。
2 .必要のない「そして」を書かない。
3 .文(センテンス)を短くする。
4 .文脈から判断できる言葉や部分(不要な言葉)は削る。
5 .文末の文体を揃える。
中級6 .接続詞を適切に使う。
7 .主語と述語を照応させる。
8 .係る言葉は受ける言葉の近くに置く。
9 .体言止や、‥‥や--を使いすぎない。
10 .漢字を適正に使う。漢語は交ぜ書きしない(例「じゅく語」など)。ただし、平仮名で書く言葉にまで使わない。
11 .一つの段落では一つのことを述べる。
上級12 .読点は、意味と音調の両面から判断して打つ。
13 .文末の表現を多彩にする。
14 .書きながら読み返し、音調もよい文章にする。
15 .語彙・語法に、読み手の注意を引くものを交える。

文部科学省の公式見解ともいえるので、公立中高一貫校作文の正解といえるでしょう。これに習って練習ができるといいですよね。

ただ、これは教師へのアドバイスとしてのもの。

この記事でお伝えしているのは、この基本をベースにして、さらに家庭で保護者ができる基本的な添削ポイントです。

作文の基本的な添削ポイント7つ

我が家で行っている、子どもが書いた文章を添削する時の基本的なチェックポイントは次7つです。

  1. 字を丁寧に書けているか
  2. 作文ルールを守れているか
  3. ひとつの文章が長すぎていないか
  4. 主語と述語が一致しているか
  5. 誤字・脱字がないか
  6. 口語・幼い言葉が使われていないか
  7. 呼応する型を正しく使えているか
  8. 適性検査作文に相応しい表現に統一しているか

この7つはどんな文章にも応用できる重要なポイントです。

適性検査作文以外にも一生使える知識ですので、ぜひ参考にしてみてください。

それではひとつひとつ見ていきましょう。

①字を丁寧に書けているか

まずは、字を丁寧に書けているか確認します。

作文とは「採点者に読んでもらうもの」。とても上手でなくてもよいけど、採点者が読みやすい字で書けるようにしてあげましょう。

時間がかかってもいいので丁寧に書くことを繰り返すことで、少しずつ字も上達してきますよ。

我が家の息子は、作文用紙の各マスの真ん中に字を書いて、周囲にすこしだけ余白を持たせるように工夫していました。それによって字同士に適度な距離ができて読みやすくなります。

中央の「という」はそれぞれの字の周辺に空間があって読み易くなっています

丁寧に書けるようになったら、その字のまま書くスピードも上げていきたいところ。いずれは丁寧に速く書けることを目指します。

でもまずは丁寧さです。とにかく丁寧に、読みやすい字を練習させてあげましょう。

②作文ルールを守れているか

作文問題には、作文のルールが書かれている場合があります。

こちらは、東京都共通問題の最後にある「きまり」です。

これらのルールを守れているか、確認しましょう。
家庭で作文を書くときは、志望校の作文ルールに合わせます。

こちらの写真は長女が書いた作文の、読点「、」が行の先頭に来ているミスです。何回か伝えても書くのに必死になると忘れてしまうこともあるようです。

2行続けて読点「、」が先頭に来ているミス。

これは一度固めてしまえば良いので、早いうちから身に着けるようにお子さまと確認しましょう。

③ひとつの文章が長すぎていないか

文章とは、句点「。」までの文章です。

公立中高一貫校の作文では、文章を長くせず、短く端的に書くことが大切です。

文章が長くなると、冗長な文章となることや、テンポが悪くなる懸念があるためです。

さらに、文章が長くなると文章のレベルが上がって、主語と述語がつながらないなどのミスが起きやすくなってしまいます。

下記に、同じ内容を「一文」と「二文」で書いた例をご紹介します。

一文のほうは文章が長くなってしまったため、主語と述語がわかりづらくなっているのがわかるでしょうか?

一文
私が中学生になったらやりたいことは、バスケット部に入って全国大会に出場することで、そのために一生懸命練習します。

二文
私が中学になったらやりたいことは、バスケット部で全国大会に出場することです。そのためには一生懸命に練習する必要があります。

文章をふたつに分けることで、それぞれが端的で理解しやすい文章になっています。

文章は短く書くことでミスを減らすだけでなく、テンポの良い作文にすることができます。一文が長くなりすぎていないかを確認してあげましょう。

④主語と述語が一致しているか

主語と述語が一致することは、文章の骨組みの重要なポイントです。

  • 主語と述語がズレている
  • 主語が抜けている

主語とは「〇〇は」という文章の主体のことで、述語は「〜〜だ」とか「〜〜なる」など主語の状態を示す部分です。

私は小学生だ。

であれば、「私は」が主語、「小学生だ」が述語になります。

こうなるとどうでしょう。

私の夢は、オリンピックで金メダルを取りたい。

主語の「私の夢は」と「取りたい」という述語が合っていないのがわかるでしょうか。

私の夢は、オリンピックで金メダルを取ることだ。

私は、オリンピックで金メダルを取りたい。

これであれば、主語と述語が一致していますね。

このようなミスがはとても多く起こります。特に作文は時間に追われて必死に書いていますから、自分では気づきにくいのです。

このようなミスを見つけたら、、必ず指摘してあげましょう。

主語と述語が合わないようなミスは一文が長くなりすぎると起きやすいので、前述のように一文は短くシンプルに書くように導いてあげましょう。

⑤誤字・脱字が無いか

書いた文章の中に誤字脱字が無いか、確認してあげましょう。

誤字脱字とは、漢字の間違いとか固有名詞が違っているとか、文字に抜けがあったりするようなミスのことです。

適性検査では、単に漢字を書かせるような問題は出題されません。その代わりに作文で誤字脱字ミスなどがあると減点されてしまいます。

よく使う漢字や語彙は、正確に丁寧に書けるように確認してあげましょう。

⑥口語・幼い言葉が使われていないか

作文を書かせてみると、「口語」や「幼い言葉」が含まれている場合があります。

例えば次のような口語や幼な言葉は、小論文的な言い回しに変えてあげましょう。

  • 先生に言われた → 〇指摘を受けた
  • やっぱりそうなった → 〇案の定であった
  • 〜じゃなくて、→ 〇〜ではなく、

作文で適切な語彙を使うと、引き締まった大人らしい文章になります。

お子様は何度も同じような間違いをするかと思いますが、毎回毎回、丁寧に指摘して少しずつ慣れさせてあげましょう。

タリジリ

息子はこの指摘を受けるたびに、作文を書くことが上手くなっている気がしていたそうです。

⑦呼応する型を正しく使えているか

文章には「呼応する型」がありますが、それを正しく使えているか確認しましょう。

例えば次の表現は、話言葉としてはよくありますよね。

❌放送委員会では、校長先生のお話を流したり、音楽をかけるなどしていた。

これは「たりたり構文」という型が成り立っていない例です。たりたり構文の場合、「〜たり、〜たり」と複数使用しなければいけません。

最初の「たり」を使ったら、もう一つ以上は「たり」を使うのが呼応のルールです。

ルールに沿った文章は次の通り。

放送委員会では、校長先生のお話を流したり、音楽をかけたりなどしていた。

このような「呼応」する型は、これ以外次のようなものがあります。

  • もし〜なら
  • まるで〜のような
  • なぜなら〜であるからだ
  • 全然〜ない
  • きっと〜でろう

この一方だけ使ってもう一方を抜かしていたら、指摘してあげましょう。

⑧適性検査作文に相応しい表現に統一しているか

作文の文章は、適性検査作文に相応しい表現に統一されたものになっているべきです。

ここでいう「適性検査作文に相応しい表現」とは、次のようなことを意味します。

  • 「である調」に統一されている
  • 一人称は「僕」や「わたし」ではなく、「私」に統一している

これは、実際には「です・ます調」でも良いかもしれませんし、「僕」を使っても良いかもしれません。

ただ私の息子はこちらの表現で合格できたという実績があることと、何より文章全体で表記を統一する練習のために、お薦めいたします。

である調に統一する場合、文末が同じ文章が続くことも避けるようにしましょう。

下記は、3つの文章の文末が「である」で続くことで、リズムが悪くなっています。

私が中学で取り組みたいことは、英語である。
英語は、これからの日本人にも必須のスキルである。
中学時代から勉強することで、早くから英語を使いこなせるようにしたいのである。

同じ文末表現は、できれば2つも続けないように、多くても2つまでとするようにさせてあげましょう。

私が中学で取り組みたいことは、英語である。
私は、英語はこれからの日本人にも必須のスキルだと考えている。
中学時代から勉強することで、早くから英語を使いこなせるようにしたい。

参考になる問題集

ここまでの添削ポイントを、さらにわかりやすく知りたい場合におすすめの問題集があります。

「中学入試作文レッスン」です。

これは、長男の時も長女の時も作文の勉強を始めたばかりに使った問題集でした。

こちらの問題集の「レッスン1」の「その1 まちがいのない文を書くために」と、「その2 原稿用紙の正しい使い方」が参考になるかと思います。

中学入試作文の最初に取り組むのにおすすめの問題集ですので、保護者のかたも子どもと一緒に学んでみるのはいかがでしょうか。

見直しが有効

ここまでの添削ポイントがなかなか治らない場合、子どもは作文を書きながら見直しをしていない可能性があります。

こまめに見直しをして修正する癖を付けさせてあげましょう。

我が家では1行ごとに見直すように伝えています。

長く書いてしまったあとで修正する必要に気づいた場合、たくさんの箇所を消して書き直すことになりかねません。修正が早い方が書き直し量も少なくすみますよね。

最初のうちはなかなか身につかないかもしれませんが、ただこれも「慣れ」なので、繰り返すうちにいつか当たり前にできるはずです。

まとめ

以上が、我が家で子どもたちに教えている作文の基本です。

この基本は受検の作文だけではなく、日本語を使った文章全般にわたるルールなので、一生役立つ知識ですよ。

ぜひ親子でチャレンジしてみてくださいね。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

質問などあればお気楽に!

コメントする

CAPTCHA


目次