
公立中高一貫校って作文があるらしいけど、どうやって勉強させればいいの?




そもそも作文ってどんな問題が出るの?
この記事では、お子さまを「公立中高一貫校受検させてみようかな~」とお考えのパパさんママさんに向けて、家庭でできる作文対策について紹介しています。
多くの公立中高一貫校では、適性検査(入試問題)として作文が出題されます。
この作文、親が教えようとするととても難しいですよね。
決まった正解がないし、解答例文を読んでもどうすればこのように書けるのか、教えてあげる方法も見当がつかない方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、家庭でできる作文対策と、本番で点数を取るための作戦(戦略)ついて紹介いたします。




作文は難しいですが、コツコツと対策を積み重ねれば、一定以上の得点を計算できるものでもあるんですよ。
なお、息子は2022年の都立中高一貫校に合格しましたが、ず~っと作文(というか国語)が苦手でした。
ですが、試行錯誤の中で今回ご紹介する対策にたどり着き、それを繰り返し練習したところ、最終的には作文を得点源となるまでに成長してくれたのです(本番では100点換算で75点)。
この記事が、お子さまの作文対策のお力になると嬉しいです。ぜひ参考になさってください。
公立中高一貫校受検の作文問題とは?



ほとんどの公立中高一貫校の受検では、作文が出題されます。
まず最初に、公立中高一貫校受検の作文はどのような問題なのか、ご紹介します。
作文=適性検査Ⅰの配点
公立中高一貫校の受検は、報告書+適性検査の総合点で決まります。総合点の合計やそれぞれの比率などは学校によって大きく異なりますが、一般的には次のような構成です。
その中で、作文問題は「適性検査Ⅰ」(てきせいけんさいち)という名前です。
- 報告書:小学校5年生+6年生の成績
- 適性検査Ⅰ:作文
- 適性検査2(+学校によっては適性検査3まで):算数・理科・社会の総合問題



例えばこの図の例の場合、総合点は1000点満点で、その中の3割(300点)を適性1(作文)が占めているということで、この学校を受ける場合は作文の配点が高いと考えて準備することになります。
作文の問題形式
作文の問題形式は、学校によって異なります。目安として、一般的には次のような構成になっています。
- 本文がひとつかふたつある
- 本文から、読解問題が出される
- 本文をふまえて、作文を書く
具体的に、2022年の都立共通問題の内容を確認しましょう。



問題は、次のような構成となっています。
1⃣問題文 | 次の[文章1]と[文章2]とを読み、あとの問題に答えなさい |
[文章1] | 約3000文字弱の文章 |
[文章2] | 約2000文字の文章 |
〔問題1〕 | (文章2に)○○とありますが、 これは[文章1]ではどのように表現されていますか。 |
〔問題2〕 | [文章1]と[文章2]で筆者は、いずれも○○をしています。 ○○に対する筆者の姿勢に共通するのはどのような点ですか。 |
〔問題3〕 | あなたはこれからの6年間をどのように過ごしたいですか。 [文章1]・[文章2]のいずれかの、筆者の○○への向き合い方をふまえ、 どちらをふまえたかを明らかにして自分の考えを書きなさい。 なお、内容やまとまりやつながりを考えて段落に分け、400字以上440字以内で述べなさい。 |
このように、今主流となっているのは、[文章1]と[文章2]という内容に関りのあるふたつの文章を読んで、それぞれの共通点を回答したり、筆者の意見を踏まえて自分の意見を書いたりするような問題です。
※もちろん学校によって傾向があります。例えば文章が一つの学校や、「詩」が出題されることも。志望校の過去問をチェックしましょう。
小学校で書くような読書感想文などとは、問われている内容が違いますよね。もう作文というよりも小論文と言っていいと思います。
ちなみにこの問題は、検査時間45分。この短い時間の中で、文章を理解して、記述問題に答えて小論文を書くのです。




とても難しいですよね。でも、大丈夫!
練習すれば、力は確実に付きますから!!
ではさらに、作文で問われているのはどのような力なのか、具体的に見てみましょう。
作文問題で問われる力
作文問題で学校側に問われている力は様々です。
筆者は、「作文で見られているのは、コミュニケーション能力ではないか」と考えています。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力とは、「トークが軽妙で人付き合いが上手」という意味ではありません(笑)。
- 相手(筆者)の伝えたいことを正確に把握する
- 受け取ったメッセージを理解して、自分の考えを整理する
- 整理した考えを、わかりやすく正しく相手に伝える
この能力のことを「コミュニケーション能力」と、ここでは意味しています。
作文問題でコミュニケーションの相手となるのは、出題した学校です。
文章の内容の理解を前提として、どのような意図でこのような文章を選んだのか。どのようなことを考えて欲しいのか。
それを理解したうえで自分の意見を考え、文章化して意見を学校に伝えるのです。




とても難しいと感じられると思いますが、後述する練習をすれば、きっとできます。作文全くダメだった息子も力を付けました。
ご安心を!d
そのために必要な力は、次の通りと考えます。
※それぞれ具体的な勉強方法は、後述する「対策」のところで詳細にお伝えしますね!
読解力・理解力
作文では、主題として出される本文の内容を正確に理解する必要があります。
そのために必要な力が読解力。
筆者の意見やその根拠としていることはなんなのか、正確にとらえて、それを理解する力です。
論理的思考力
読解力によって筆者の意見を理解した後は、それをもとに自分の意見を作る力が必要です。
その自分の意見を作るために、そしてその意見を読み手が納得するものとするには、論理的な思考が必要です。
論理的というのは、「○○だから○○」という理由と結論がしっかりとつながっていること。
「こうこうこうだから、私はこう考えた」と、説得力のある論理展開が必要です。
さらに言うと、どのような意見を述べるのか。意見の内容も大切。




いくら論理的であったとしても、社会的に問題があったり稚拙すぎる意見では受け入れられません。
記述力・語彙力
そして、最後が記述力です。考えたことを、作文として書く能力です。
考えを表現する語彙力や、誤字・脱字無しに書ける力も見られるはずですし、書くスピードも大切です。
以上が、公立中高一貫校の作文試験の概要です。
多くの方は「作文を書くテクニック」が必要と考えるかもしれませんが、実はその前に、「理解して考える」という力が試されているのです。
そのうえでその考えを適切に相手に伝える。これを「コミュニケーション能力」と称してみました。




とても難しい・・




ウチの子には無理ゲー
と思われたかもしれません💦
ですが、何度もお伝えしますが、息子も作文力は絶望的でした。必ず力はつきます。
難しいことを書きましたが、あくまで小学生が対象のテストです。
大人が考えるような完璧さは不要。こういった力をある程度身に着けて、外してはいけないポイントは守ったうえで書けるようになれば点数に繋がります!
ではどのような対策を取ればよいのか。作文対策について、成果があった我が家の方法を紹介します。
公立中高一貫校受検の作文について知っておきたいこと



親が志望校の傾向を把握する
まず、親が志望校の傾向を知っておくということがとても重要です。
作文は学校ごとに傾向が大きく異なるため、それを見越した準備が必要になるからです。
例えば、古文や詩が出題される学校では、それらを読み取る練習が必要です。
難しい言葉が出題される学校や、言葉の言い換えが問われる場合は、語彙についても準備が必要でしょう。
志望校の傾向は前もって傾向は把握して、傾向に合わせた準備が有効なのです。
ただし子供には、志望校の過去問題は、直前の過去問に取り組むまで見せないようにしましょう。
過去問は、本番と同じように「初見」で解く練習をしたいためです。
子供には過去問は見せずに、親が前もって志望校の作文問題の傾向を把握して、学習方針の大まかな流れを決めてあげる必要があるのです。




早いうちに、志望校の過去問題集はお手元にご準備ください。
過去問題集には模範解答と解説があるので、とても参考になります。
過去問題集は複数の出版社から発売されているので、それぞれ購入して模範解答や解説を比較すると、より理解が深まります。
※注意!学校によっては、本文が著作権の関係で載っていない場合があります。本屋さんなどでご確認のうえ、ご準備してください。
保護者だけは前もって志望校の作文問題と、その解答例を頭に入れておく。
子供が6年生になったらコツコツと始めておくことがオススメです。
国語の総合的な力が必要
公立中高一貫校の作文は、小学校での感想文とは違って、論理的な文章である必要があります。
そのような文章を書くためには、次のような国語的な総合的な能力が必要になる、ということをぜひ知ってください。
- 読解力・理解力
- 論理的思考力
- 記述力・語彙力
なんか、全部同じに見える・・と思われたかもしれませんが、この先を読んでいただければ区別できるので大丈夫です!
作文も積み重ねが必要
さてここで、私が息子に作文を教える中で気づかされた、大事なことをお伝えします。
それは、「作文の力は、一気に伸ばすことはできない!」ということです。
ただ闇雲に量を書けば身に付く、というものでは無く、少しずつ順を追って成長する必要があるのです。
よほど作文が得意な子でもなければ、「とにかく書いてみろ」とやらせてみても、「書き方がわからない」し「何を書けばいいのかわからない」と手が止まってしまうのです。




これは、私も大失敗して息子に辛い思いをさせてしまいました。。
親塾での作文対策を始めた当時、「作文は量が必要」という言葉を真に受けて、とにかくアウトプットさせようとしてしまったのです。
でも、書くべきものが子供の中に無ければ、アウトプットはできませんよね。
そしてそれを準備するためには、「何をどう書くか、考える力」を先に伸ばす必要があったのです。
結論、作文も算数のように、ひとつひとつ積み上げる準備が必要でした。
引き算ができないのに割り算はできないし、割り算ができないのに分数はできない。
だから算数は順番に学びます。
作文も同じように、できたことの上に次にできることを積み重ねていく必要があったのです。
ではどのような積み重ね方をすればよいのか、我が家の例をご紹介します。
公立中高一貫校受検の作文対策〜具体的方法〜
まずは読解力をつける
まず、作文を書く前に「読解力」を付ける必要があります。
本文で筆者の意見がどのようなものなのか。それはどのような理由からそう言っているのか。
本文のテーマは何か。キーワードはどの言葉か。
それが理解できなければ、それをふまえた自分の意見や考えを作ることはできないからです。
もし本文の内容を読み違えてしまったら、解答も的外れとなってしまうでしょう。
当然、「相手の考えを受け止めて理解する」というコミュニケーション能力の不足と見なされてしまいます。
文章から筆者の意図を読み取れる読解力は、最初に必要になる力です。




作文対策ってどこから手を付けたらいいの・・?
という場合、




まずは読解力から身に着けることをオススメします!
ではどうすれば読解力がつくのでしょうか?
息子の例が参考になるかと思います。
息子は、読解がとても苦手で、読解問題は壊滅的。そこで、なぜここまで読解ができないのかを息子と話をしながら調査しました。
すると、次の点が不足していることに気付いたのです。
- そもそも語彙が少ないこと
- 文章の骨組みがわからないこと
- 本文が、構造的に組み立てられて作られていることを知らないこと
そこで、これらの対策を行ってひとつひとつ身に着けさせたところ、作文問題や読解問題が逆に得意になるほどの力を付けてくれたのです。
読解力を付ける方法は長くなるので、別記事としてまとめています。
3学年下の妹も読解力を付けているので、再現性の高い方法かと思います。併せてご参照くださいませ。
【中学受検】苦手な文章読解を克服するためのポイントと、その対策3選【塾無し】
息子は本当に読解が苦手、こんなんじゃ作文は書けるようにならないかもと諦め半分であったところから、驚くほどの力を付けてくれました。
なので、読解が苦手なお子さまでも大丈夫!
読解力は、一度身に着ければ一生役に立つ力です。
公立中高一貫校受検勉強をきっかけに、じっくりと取り組ませてあげましょう。
志望校に合った意見を構築する
読解力がある程度身に付いてきたら、次は回答する内容を考える練習に入ります。
このフェーズが、最も重要です!
何かを書くためには、その前に「何を書くか」が決まっていないと書けませんよね。
書くことが決まれば、あとそれを文章にすることは技術的な事なので、それほど重要ではないのです。
読解力や記述力はある程度あって当たりまえ。
ここではあまり差がつきません。
出題した学校側は、「この課題にどう答えるのか」「何をどう考えているのか」という点から生徒の適性を見ていると思うのです。
「何を書くのか」。それは前提として「論理的で、志望校の生徒として求められる意見」である必要があります。




この対策フェーズこそが、作文対策のメインです。
もちろんこれは難しいです。
多くの作文が苦手なお子さまが「何を書けばいいかわからない」とおっしゃると思います。
これに対して「何でもいいから書いてみなさい」などとつい言ってしまったりするのですが、「何を書くか」を頭に描くためには、また別の準備が必要なのです。
どのような準備かについては、こちらも長くなるため別記事に詳しくまとめています。ぜひご一読ください。
【親塾】公立中高一貫校の作文「何を書けばいいの?」を無くすために必要な力とは?【作文】
上記の記事を簡単にまとめますと、次の力が必要になります。
- 文章から、本文の主題を理解できる
- その主題に対して、自分の意見を持てる
- 自分の意見を、説得力を伴って論理的な文章で伝えられる
- どのような意見が(入試の回答として)正しいのか、理解している(ポジショントークができる)
- 社会問題についての話題を理解できる
「自分の意見を作る」ことは、練習に時間がかかると思います。そしてなかなかうまくいかないこともあります。
パパさんママさんもここは腰を据えて辛抱強く、お子さまの成長を支えてあげてください。
いよいよ文章を書く力をつける
読解力を付けて筆者の意見が理解できるようなり、それに対して自分の意見を持てるようになった。
ここまで来たら最後は、文章を書く力です。
これは、書くことが決まっていれば、あとはルールに従って書くだけ。
これまでよりは難易度は下がるはずです。
ただ、書くスピードを上げることや丁寧な字を書くなど、考えなくてもできるように身に着けたい技術もあります。
大前提として原稿用紙の使い方は、志望校の適性検査1に書かれている「きまり」に沿ったものを使いましょう。
次は2022年都立共通問題の「きまり」です。適性問題の最後にまとめて書かれています。



このルールにしたがって、問題集を使って沢山の作文を書く練習をしますが、ここでパパさんママさんには更に重要なミッションがあります。
それは、添削です!家庭で作文対策をするには、親が子供の書いた作文を添削してあげましょう。
保護者の方も「私も作文はちょっと苦手・・」と思われるかもしれませんが、誰かが添削してあげないと作文は力が付きません。自分の目だけでは問題点に気付けないからです。
公立中高一貫校受検作文の添削方法については、できるだけわかりやすいようにこちらにまとめています。
【塾無し】公立中高一貫校受検の作文、親塾での添削ポイント全15選。+一番大切なこと
早く書く方法や、丁寧に書かせるコツなども併せて紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
保護者の添削も、子どもの作文と同様、少しずつ上達するはずです。
親子で力を合わせて、作文と添削の力を付けていきましょう!
作文は減点に気を付けるだけで、ある程度の得点を見込めます。
この添削では沢山の減点ポイントをチェックしているので、繰り返し練習して身に着けていただければと思います。
なお、練習の時点では、本人には志望校の過去問題は見せないことをおすすめします。直前期の過去問を取り組むときに、初見で問題を解くためです。
それまでは、問題集を使って練習しましょう。おすすめの参考書は後述しますね。
志望校対策
作文を書く力がついたら、いよいよ志望校の過去問に取り掛かります。
基本的な作文の力を身に着けてから過去問に取り組まないと、
- 作文の練習をしているのか
- 過去問対策をしているのか
わからなくなってしまいます。
作文の力を身に着けた後、過去問対策に移るようにしましょう。
我が家では、最後の2カ月を過去問対策に残しておきました。
我が家の過去問対策は、ざっくり言うと次のような手順の取組みです。
- 志望校の過去問を10年分用意する(印刷できるように)
- 最も古い4年分を繰り返す
- 添削も毎回しっかり行って、この4年分のクオリティを上げる
- 3までができたら、次の4年分も同じように繰り返す
- 4までができたら、最後の2年分を仕上げて本番
これを2カ月かけてやっていました。
過去問は直近のものからやる方法もあると思いますが、我が家では古いほうから始めました。
作文は傾向が変わりがちなので、「この傾向からこの傾向に変わった」という練習もして欲しかったためです。
息子は手順④の途中から、急激に伸びた感じ。
それまでにバラバラだったものが、本人のなかで一気につながったのだそうです。
⑤の時には、時間が余るようになり、本番でも15分ぐらい余ったと言っていました。
本番では100点満点(換算)中75点だったようで、つい2か月前までは絶望的なところから一気に伸びたことになります。
そこまで頑張っていれば過去問で同じ傾向の作文を書きまくるこの時期に、コツを掴んで一気に開花するのかもしれません。
効果的な過去問の解き方については、こちらの記事に詳細をまとめています。ご興味があれば併せてご一読ください。
【公立中高一貫校受検】本番で1点でも多く取るため過去問対策とは!?効果的な過去問の解き方をご紹介【塾無し】
公立中高一貫校作文におすすめの教材



公立中高一貫校作文の練習用に、オススメの教材をご紹介します。
オススメの問題集
作文は直前期には過去問を使いますが、それまでは過去問は見ないで取っておきましょう。過去問に取り組む直前期に、できるだけ本番と同じように初見で取り組むからです。
では過去問の時期までは、どのように作文の練習をするのでしょうか。
ちなみに、適性検査の総合問題(作文以外の問題)に使う銀本は、作文の練習には使いません。解答例が無いため、作文を書いただけで終わってしまうからです。
なお、銀本って何?という方は、別記事にまとめていますので、そちらもご参照ください。
【塾なし】公立中高一貫校受検対策に必須!合格した我が家の銀本の活かし方ご紹介
銀本も、志望校の過去問も使わずにどうやって作文を練習するかというと、問題集を使います。
問題集を選ぶポイントは、次の3点です。
- 解説が充実している
- 模範解答がある
- 志望校以外の問題数が多い
我が家でも色々と試しましたが、我が家ではこちらの書籍がしっくりきました。
この問題集が良かった理由は、次の通りです。
- テーマ別に問題が用意されているため(例:「人とかかわって生きるとは?」など)、子どもも親もテーマについて意見を考える練習になる
- 模範解答が、合格レベルの小学生のものであるため、「これぐらいのレベルで良い」という具体的な目安になる
作文の練習を通じて、さまざまなテーマについてお子さまと話し合うことになると思います。
この問題集は、そのテーマを全面に打ち出しているので、作文を書く前にテーマについて親子で考えることができます。
このページで、「志望校に合った意見を構築できる」という項目がありましたが、テーマに対する模範解答が充実しているので、「こういうテーマはこういう意見を回答する」という練習になります。
また、問題集の模範解答は大人が書いた立派なものが多いのですが、それは合格する小学生のレベルよりもはるかに難易度が高いもの。
親にとっても「このレベルをめざすの!?」と、とても難しいチャレンジに感じてしまうかもしれません。
ですがこの問題集は、十分合格レベルであるものの、あくまで小学生が書いた模範解答が一つの問題に複数掲載されています。
模範解答の分析(こういう点を真似しよう)という参考にしやすいのです。
通信教育は添削と記述(アウトプット)に効果大!
親として作文を教えるのが難しい場合、外部の力を借りるのもよいかもしれません。
作文だけ塾に通うのも良いですし、今は通信教育が充実しています。
塾に通う場合に比べてかなり安く、しかもプロの手によって公立中高一貫校の作文対策として適切な添削を受けることができたり、丁寧なフィードバックをもらえるメリットがあります。
オススメのサービスとして、ブンブンどりむさんという作文専門の通信教育があります。
「声に出して読みたい日本語」シリーズでおなじみの齋藤孝先生が研修されているサービスで、6年生になると公立中高一貫校を目指すための添削を受けられます。




↑齋藤先生はこちらの先生です。テレビで拝見される方も多いのではないでしょうか?
オススメしている理由は、私も重視している「読解力」を伸ばすカリキュラムであるため。
そして、教材の狙いが、思考力や語彙力を伸ばすためのものである、という点です。
読解力や語彙力、思考力を計るのが作文問題なので、本質の部分を学べますね。
この学習は日本語力を高めます。これは試験対策に留まらずに、将来的にも役にたつことでしょう。
なおブンブンどりむさんでは、2ヵ月だけのパック(7月号・8月号)を特別価格で受けられる、「お試しキャンペーン」実施中です(2023年7月31日(月)まで)。
「作文は専門家にお願いしたいかも」「短期間でいいから、実際の教材で試させてほしい」とお考えの方には、お得にお試しできるチャンス。
詳しくは、下記公式サイトをご覧ください。
\ ただいま夏のキャンペーン実施中! /
作文への総合的な力を高められる、小学生新聞
作文は読解力や理解力、語彙力、記述力など読解力総合的な力を試される試験です。
そこで、作文で問われる文章に関わる様々な力と共に、時事問題、そして社会への関心を高められるおすすめの教材として期待できるのが、小学生新聞です。

新聞を読むことで、プロの記者が書く質の高い文章に、日常的に触れることができます。作文を書くためには、どのような文章が良いのかを知っていることが大切です。
また新聞の大きなメリットとして、いま社会で起きていることを知ることができるという点があります。
社会のことを知ることで、社会問題への関心も自然と高まりますよね。
そのような関心を育みながら新聞を読むことで、作文問題のテーマが理解できるようになったり、作文で「どんな意見を書くか」という「意見作り」にも非常に役に立ちます。
朝日新聞の小学生新聞は読み物として面白いように工夫されていて、QuizKnock(クイズノック)の時事問題クイズが出題されたり、子供たちに大人気の「科学マンガサバイバルシリーズ」も連載中です。
ボリュームは毎日8ページなので、時間を決めて新聞を読む習慣を付けるのでも、勉強の合間に気分転換に目を通すでもよいでしょう。
※ただし!我が家のでは購読していません。長男の時は本サービスを知らず、長女は他の兄弟に比べて圧倒的に文字を読むのが苦手だからです。




長女は、映像には集中できるタイプ。マンガも面倒なのだそうです・・。
ただ、もし興味をもって読めるような子ならば、とても力になると思います!
子供が楽しめそうなものか、いちど公式サイトからご覧になってみてください。
中学受検をして最も良かったことは、子どもが社会への関心を高めてくれたり、知的好奇心を育んでくれたことでした。
この知的好奇心は中学になってからも、とても役に立っています。
息子の同級生たちもニュースなどで社会問題を良く知っている子がほとんどだそうで、授業でもよく取り上げられるのだとか。そのような子が合格している、ということだと思います。
作文に役立つだけではなく、そのような知識や教養を楽しみながら身に着けられる小学生新聞は、とてもおすすめです。
公立中高一貫校受検合格に向けた作文戦略



ここまで、作文問題の解き方について紹介してきました。
最後は、公立中高一貫校合格に向けた作文戦略について紹介します。
ある程度点数を見込める
作文は、しっかりと準備をすれば、一定以上の得点が見込めるものです。
これ、息子の作文で苦労していた当時に聞いていたら信じられなかったかと思うのですが、対策に沿って練習した後ならばわかります。
その準備とは、「減点となるポイントを避ける練習をする」こと。
受検用の作文は、減点方式が一般的です。
なので、減点になることを避ければ、点数が多く引かれることがないのです。
具体的な減点ポイントは、こちらの記事の添削ポイントをご参照ください。



算数・理科・社会の総合問題である適性検査2や適性検査3は、問題の当たり外れがあるかもしれません。
苦手分野や知らない社会問題などが問題の題材になった時、答えられず大きく点数を落としてしまう可能性があるのです。
一方の作文は、NGを避けて減点を無くすだけで点数になるもの。
総合点の中で計算できる点数があることは、戦略的にも重要ですね。
作文の配点は低い学校が多い
作文は堅く点数が取れるのですが、作文=適性検査1は学校によって配点が異なります。
作文の配点が低い場合、作文には時間をかけ過ぎないという戦略もあるわけです。
例えば作文練習に多くの時間をかけて、本番では作文が満点を取れたとしても(そればそれで素晴らしいですが)、作文の配点が総合点の中の2割であれば、全体を100点満点と考えると20点にしかならないわけです。
そして、基本的には適性検査の得点のメインは算数・理科・社会の総合問題である学校がほとんど。多くの学校で作文の配点は低いのです。
例えば都立の場合、多くの学校が次のような配点です。
- 50%:報告書+適性検査1(作文)
- 50%:適性検査2(+適性検査3)
※詳しくは、次の記事にまとまってます。
令和5年(2023年)東京都立中高一貫校、募集要綱の概要まとめ【配点】【報告書】
作文の配点は、せいぜい25%前後に過ぎないのです。
なので、もし作文が苦手な場合は、総合問題に力を入れるという戦略も立てられます。毎日作文に当てる時間は減点ポイントを減らす程度にとどめて、総合問題と報告書に力を入れるという考え方もありますね。
これらは志望校の傾向によっても異なります。お子さまの志望校の配点を確認して、作文にどれだけ時間を使うかの戦略を考えるのが良いと思います。
まとめ:公立中高一貫校受検の作文対策とは



この記事では、公立中高一貫校受検の作文対策についてご紹介しました。
作文は一気に上達はできません。総合的な力が必要になります。
- 読解力・理解力
- 論理的思考力
- 記述力・語彙力
これらを順に、少しずつ力を付けていく。これが作文対策です。
これができれば、作文である程度の点数を計算できますよ。
繰り返しになりますが、息子は本当に国語ができなかったところから、最終的には作文で75点(100点換算)も取ってくれて、合格への大きな力になってくれました。
いっぽうで、作文の配点を考えた時に、毎日の勉強でどれぐらいの時間を割くかという戦略も必要になります。我が家では、毎日30分~1時間程度でした。
作文を親塾で行う場合、親の負担も間違いなく大きいです。
でも、息子は中学になってからも、学校で沢山の文章を書かされることや意見を話す機会があるそうです。作文の練習で培った読解力や思考力などは一生の力になるので、パパさんママさんも将来へ向けてサポートしてあげて欲しいと思います。
色々なテーマについて、沢山話し合えると良いですね!
質問などあればお気楽に!