3年生までは”クラスの3バカ”の一人として君臨していた息子。
4年生から通塾無し・親塾で公立中高一貫校受検を目指し勉強を開始。少しずつ成績も上がってきました。
振り返ると5年生というのは、学力がさらに上がって受検への態勢が整った、とても重要な時期でした。
後述しますが、5年生の11月の四谷大塚さんの私立型全国模試で、偏差値64になったほどです。
この記事では、次の内容に付いてご紹介します。
- 公立中高一貫校に向けた、5年生の学習方針
- 5年生での具体的な勉強法
- 習い事は続けるのか
また、振り返って「こうしておけばよかった」ということも、ところどころでお伝えしています。
通塾無し・親塾でお子さまの学力を上げたいパパさんママさんの参考になればと思います。
公立中高一貫校受検に向けた、5年生の学習方針
我が家の5年生での方針は、下記としていました。
- 私立型受験レベルの勉強
- 作文の準備
- 報告書の準備
6年生になって適性検査対策に移行するまでに、「基礎学力」を5年生のうちに身につけることを目指しました。
それぞれ詳しくお伝えします。
国語と算数では、私立型中学受験レベルの準備をする
公立中高一貫校の適性検査の出題範囲は、小学校で習うことに限られています。
ですが国語と算数では、私立型受験の準備も必要です。
算数では特殊算を使う問題が出題されたり、作文で出題される文章の読解力は、小学校のレベルを超える問題が出されるためです。
例えば地図上で近道を探すような問題があります。
ただの地図の問題に見えますが、実際には道が辺に見立てた平面図計の問題で、中学受験用の解法を知らないと時間内に問題を解くのは無理であるような問題もあるのです。
また、もしかすると6年生になった時に、私立の学校も選択肢に入ることがあるかもしれません。
適性検査型問題の準備だけでは、4教科型の試験対策はかなり難しいと思います。
さらには、仮に希望する中学校に入学できた場合も、多くのクラスメートは塾で学んできたはずです。
最初から差がある状態ではちょっと辛いのかも・・と考えました。
時間のある5年生の間は、可能な限り私立型の勉強を進めておくことをお勧めします。
ちなみに、我が家では6年生になった時に私立はすっぱりと諦めて、公立中高一貫校の適性検査対策一本に切り替えました。ですが、受検勉強をしたことで得られる「教養」という点で、さまざまな知識を得られる私立型学習は振り返っても良かったと感じています。
どのように私立型の勉強をしたかというと、我が家では予習シリーズという教材を使いました。
予習シリーズをどう使ったのか、別記事にまとめているので併せて参考になさってください。
作文の準備
作文の準備は、5年生ぐらいからできるといいと思います。
ただ、作文の準備はとても難しい。
そもそも語彙も少なく問題文を理解するのも難しい段階ですから、本格的な練習は6年生になってからでも大丈夫です。
もう少し、内面の成熟を待っても十分間に合います!
なので、5年生では作文を書くというよりも、まずは読解力を身に着けましょう!
読書が好きで文章に触れ慣れているなどであれば別ですが、まずは語彙や慣用句を増やして、文章を読むことに苦手意識が湧かないようにするのをお勧めしたいです。
読書が嫌いなお子さまの読解力向上の方法で、我が家で成果が出た取り組みはこちらの記事でご紹介しています。
また我が家ではあまりできなかったことですが、受検まで時間のあるうちにやっておけばよかったと感じたことがふたつありました。
ひとつは、さまざまな体験をさせてあげること。
体験したことは作文の体験談に使えたり、構成を考えるネタになります。
もうひとつは、「意見」を考えさせる機会を作ることと。
作文では自分の意見を持って、それを理由とともに論理的に説明することが必要だからです。
例えばニュースを見たら、「どう思ったのか、それは何故か」を聞いてあげていたら、作文で意見を述べる問題にも早くから答えられたかもと感じていました。
負担のないレベルで良いので、会話の中で質問してあげるのは「考える」を育みますよ!
社会問題への関心アップと共に、知的好奇心を育む
これは、当時は知らなかったのですが、社会問題への関心や知的好奇心を育みながら、さらにいずれ作文の力になる読解力や語彙力も高められるおすすめの教材があったのでご紹介させてください。
それは、小学生新聞です。
作文の準備のために、小学生新聞を読むことはとても有効です。
- 社会のこと、社会問題に関心が持てる
- その問題を解決するのに必要なことも学べる
- プロが書く文章に触れることができる
社会のことを知ることは、社会問題への関心も高まります。
そのような関心を育みながら新聞を読むことで、作文問題のテーマが理解できるようになったり、作文で「どんな意見を書くか」という「意見作り」にも非常に役に立ちます。
5年生ぐらいになれば、そのような問題にも興味を持てるようになると思います。
もちろん、プロが書く文章に触れられるのも大きなメリット。
今回ご紹介している朝日新聞さんの小学生新聞では、読み物として面白いように工夫されています。
QuizKnock(クイズノック)からはニュースからクイズ問題が出題されたり、子供たちに大人気の「科学マンガサバイバルシリーズ」も連載中です。
新聞を楽しむきっかけにはとても良いのではないでしょうか。
ボリュームは毎日8ページなので、時間を決めて新聞を読む習慣を付けるのでも、勉強の合間に気分転換に目を通すでもよいでしょう。
息子が通っている中学校でも社会問題はよく取り上げられるそうで、同級生たちもニュースなどで社会問題を良く知っている子がほとんどだそう。
そのような子が合格している、ということだと思います。
作文に役立つうえに、そのような知識や教養を楽しみながら身に着けられる小学生新聞は、とてもおすすめです。
詳しくは、ぜひいちど公式サイトをご覧になってみてください。
🔗朝日小学生新聞の公式サイトを確認する継続的に新聞を読んで得た知識は、中学生になった以降も確実に子供の世界を広げてくれるはずです。
公立中高一貫校受検合格に向けた報告書の準備
5年生からは、あゆみ(通知表)がとても重要になってきます。
あゆみの成績が、報告書の得点に直結するからです。
授業への理解、カラーテストの点数と共に、しっかりと授業を受けることをお子様と共有しましょう。
もし、
報告書ってなに?
という方は、下記記事に詳しくまとめているので、是非ご覧になってください。
息子は、報告書の点数のおかげで合格できたと言っても過言ではありません。
方針として、あゆみは全て「大変よい」を目指します。
カラーテストは全て100点を目指し、授業態度や忘れ物に注意です。
もし4年生までのあゆみで「大変よい」が取れていない項目が多い場合は、学校の勉強を頑張ると共に、先生に相談してみると良いかもしれません。
「報告書対策」という言いかたではなくて、熱意を持って「子供を成長させたい」「足りないところがあれば家庭でも努力します」ということを伝えたら、きっと先生も相談に乗ってくれるはずです。
5年生での具体的な勉強法
では、我が家が5年生で取り組んできた、具体的な勉強法を紹介します!
カラーテストで100点を目指す
カラーテストは、学校の授業の理解度や報告書対策になる、重要な指標としていました。
4年生に引き続き、どの教科でもカラーテストでは100点を取れることを目標にします。
私立型の勉強ができて学校の授業をしっかり聞いていれば、国語と算数ではおそらく全て100点に近い点数を取ってくると思います。
暗記系の理科社会だけは、時々教科書ワークを活用していました。
カラーテストの具体的な活用方法については、こちらの記事にまとめているので、よろしければ参照ください。
国語
国語は、当初挫折しました。。
5年生のうちに私立型勉強でしっかりと鍛えて、6年生からは志望校対策として作文に移ろうとしていましたが、結果的にはうまく行きませんでした。
理由は、息子は読解問題全般が大の苦手だったからです。
文章読解の練習
私立型の学習として読解問題をさせたのですが、息子は全くダメでした。
理由はいろいろあるのですが、そもそも文章を読むことが全くダメだったのです・・。
そこで私が、試行錯誤で読解対策をしました。。
最終的に対策は有効でした。それによって、読解力が上がったのですが、その成果が爆発したのは6年生の終盤。ずいぶんヤキモキしましたが、国語が苦手な息子でも読解の力はつきました。
文章読解克服方法の具体的な方法については、ひとつの記事にまとめておりますので、よろしければご参照ください。
簡単にまとめますと、「文章読解の練習」と「問題を解く練習」を分けて、まずは読解ができる力をつけることから始める、という対策です。
5年生という時間がある時なので、じっくり取り組めたのは良かったです。
漢字・語彙
「日本語の単語不足」という意味での語彙ではなく、「私立型中学受験で出題される語彙問題」について、その準備もやっていました。計算と同様、毎朝5分程度の習慣化ができたものです。一冊のテキストを6年生の最後まで何周も繰り返していました。
ポイントは、5年生のうちは漢字の「記述」は学校で習ってから、とすること。せっかく学校で書き順の含めて教えてもらえるので書き取りは飛ばして、それ以外の漢字の読み・四字熟語・慣用句などをやらせていました。学校で習った漢字はしっかりと宿題で覚えさせてあげるのも大事ですね。
こういった語彙は私立型の語彙問題対策にもなりますが、読解問題や作文にも活かされます。語彙も早いうちからコツコツと少しずつ身に着けておきましょう。
算数
算数は、適性検査においても非常に重視される科目です。
もちろん、志望される学校の傾向にもよりますので、親は過去問を確認しましょう!
息子は算数が好きであったこともあり、算数にはしっかりと取り組みました。
計算力
限られた時間の中で問題を解くには、速くて正確な計算力が必須です。
計算力を付けるために、四谷大塚さんの「計算」問題集を毎朝1ページずつ、時間を測って解かせていました。
慣れれば慣れるほど、速くなります。さらに、計算を早くするにはコツがあって、例えば3.14の倍数などは覚えてしまうと面倒な計算をせずに円の問題も解けるようになるのですが、こういった覚えてしまった方が早い計算は、単語帳を作って繰り返しやらせていました。
毎日時間を測っての計算と、計算を早くする探求によって、6年生になる頃には、やがて某最難関校に合格した子とほぼ同等の速さになっていました。
息子が単語帳で覚えていた、暗記推奨の計算をまとめました。ぜひ参考になさってください。
予習シリーズで私立型学習を継続
私立型受験と同様に、適性検査においても算数は非常に重視されます。
我が家でも算数だけは、4年生の時から私立型で勉強をしていました(4年生時の取り組みについては、こちらにまとめております)。
5年生でも、引き続き予習シリーズの上下を使って私立型勉強をします。
5年生で学ぶ単元はとても重要で、6年生での勉強にしっかりとついていくためには、5年生時点での学習をしっかりと身につけておくことを目指しましょう。我が家では5年生の予習シリーズは、類題と基本問題、練習問題のみですが、2周取り組ませました。忘れかけている時に周回をすることで、より頭に残ってくれます。
親塾では、予習シリーズのメジャーさに何度も助けられました。
理科・社会
理科・社会は、学校での授業を最重要としました。
目標としては、カラーテストで100点を目指すこと。
理科社会の知識面については、適性検査では学校の教科書を超える知識を問われることはありません。
適性検査では、その知識を前提に資料やグラフから情報を読み取り、それを記述する技術が必要になります。
いずれグラフの読み取りや記述という練習もしますが、5年生の段階では、しっかりと学校で学んだことを基礎として覚えること。
そして、報告書対策としてカラーテストで100点を取ることを目指しましょう。
我が家ではなかなか理科社会を勉強する時間が取れなかったので、毎週の土曜日か日曜日に、予習シリーズの各単元の最後にある問題でテストをしていました。
「単元の勉強はしなくて良いので、問題と回答だけ暗記して回答する」というもの。
単元の最後の「例題」ページをコピーして、答えが書ければ良い、7割取れれば良いというルールで取り入れていました。前もって問題も答えも見ていてよいというものです。
実はこのコツコツとした取り組みは、実は四教科型私立校の併願を決める際にとても役に立ちました。一度でも用語に触れておくことで、学校での授業の理解度も高まったり、わからないことは予習シリーズのテキスト部分で自主的に調べることができたのです。
結果的に理科や歴史が好きになってくれたようで、この取り組みも6年生の10月まで続けて、予習シリーズをそれぞれ2周終わらせていました。
英語
5年生からは英語もあゆみの対象となります。
まだ簡単な英語なので、授業を楽しめているようであれば特に問題は無かったのですが、本人が望んだので教科書ワークを買いました。
英語だけは復習メインではなく、本人のペースでやらせていました。
どんどんと先に進んでしまったので、教科書ワークは2周終わらせたようです。
教科書ワークではサイトへのアクセスによってリスニングもできたため、親の下手な発音を聞かせずに済んでとてもよかったと思います。
専科(音楽・体育・図工・家庭科)
専科と呼ばれる音楽・体育・図工・家庭科も、報告書の点数となります。
なので、これらもしっかりと真剣に取り組むことを伝えました。
息子は運動神経は並、音楽はやや良し、図工・家庭科は不器用の極みといった感じでしたが、図工・家庭科以外はなんとか大変良いをキープしてくれました。
本人は学校が好きで、下手でも図工や家庭科を楽しんでいたようでした。
習い事は続けるのか?
5年生になって、習い事を減らすご家庭も多いかと思います。
我が家の場合は、
- 所属しているサッカーチーム
- 週に一度のサッカーレッスン
- 週に一度の水泳
を習っていましたが、いずれも5年生の間は継続しました。
公立校受検 + 通塾していないメリットとして、時間的な余裕があります。習い事は作文などの体験談にも使えるので、本人が望むのであればやらせてあげて良いかと思います。
習い事については、こちらの記事でもまとめていますので、宜しければご参照ください。
息子の、5年生が終わる時の状態
この取り組みを行ったところ、あゆみは苦手な図工でひとつだけ「よい」でしたが、それ以外は完璧でした!
そして学力としても、しっかり付いてくれました。
11月に受けた四谷大塚さんの私立型全国模試で、国語と算数の2教科では偏差値64!
4教科だと59.9だったのです。特に、算数は回答率が低い問題だけを間違っていました。それ以外の問題が正解していたのは、普段の学習の成果が出ていると言えます。
無料模試は、通塾してバリバリに勉強している人は含まれないので偏差値は高めにでるのですが、それでも親塾としての取組みは上手く行っていると自信が持てたころです。
合格してから振り返ると、算数の予習シリーズの5年生上下を終わらせて、類題と練習問題までは身につけることができたのが大きかったと思います。
本人が算数が好きになった(好きだった?)のが、ありがたい年でした。
5年生にオススメの書籍
5年生のパパさんママさんにオススメの書籍があります。
「公立中高一貫校合格バイブル (受検500日前から本番まで「いつ」「何を」するべきか)」という本です。
筆者は、公立中高一貫校受検を専門に扱っていらっしゃるケイティ先生。
「合格バイブル」という名前の通り、500日前から合格に向けての取組みについて詳細に教えてくれるもの。5年生のパパさんママさんに丁度良い書籍です。
詳しくまとめた記事を作成したので、ご興味があればぜひご一読くださいませ。
【書籍レビュー】「公立中高一貫校合格バイブル (受検500日前から本番まで「いつ」「何を」するべきか)をオススメします」の紹介!
親塾が難しいなら・・
5年生の時点で親塾が難しいと感じているご家庭も多いかもしれません。
その場合、ちょっと見直した方が良いかもしれません。
頑張れば何とかこなせていても、これが6年生になるとさらに難しさが増すからです。
我が家もそうでした。。6年生になってから、親塾が大変で私たち親の精神的な余裕が無くなってしまい、子どもとのバトルが頻発してしまったのです。
本来は、子どもをサポートするはずの親が、子どもへのイライラに向けてしまうようになってしまいました。
もし、このまま親塾で6年生になるのが不安な場合は、その対策をまとめた記事があるのでこちらも参照なさってください。
6年生時点の親塾が、どう難しいのか。また、塾なしのメリットを活かしながら安価に親塾の負担を減らすサービスも増えているので、そちらを紹介しています。
まとめ
親塾での公立中高一貫校受検を目指した5年生の時の取り組みについて、ご紹介しました。
勉強量は思ったほど多かったでしょうか?ただ、毎日やっていたのは計算・漢字・算数のみ。それ以外は日替わりでやるなど負担はかけすぎないようにしていました。だから勉強時間は短いんですよ。睡眠も9時間をキープしています。
ポイントは勉強を習慣化できたことだと思います。
これらのことを日々継続することによって、例えば朝にこれをやる、夜は最初にこれをやる、など1日の時間の中のルーティンができました。塾無しの場合、自宅での勉強の習慣化は必須です。何も言わなくても時間が来ると自分で勉強を始められるようになればしめたもの。できれば反抗期を迎える前に、勉強を習慣化できると良いと思います。
なお、我が家はリビング学習だったのですが、とても成果のあがる勉強方法だったと感じています。詳しくはこちらの記事にまとめていますので、併せてご覧ください。
振り返ると5年生の勉強は本当に力になりましたし、6年生で最後まで合格の可能性を残すことができた基盤ができた時期でした。受検を目指さないとしても、負荷は少なく成果を出せる取り組みではないかと。
ご家族で力を合わせて、お勉強を楽しめるように頑張ってほしいと思います!
質問などあればお気楽に!