自宅学習には「予習シリーズ」が良いって聞くけど、ホント?
どうやって使えばいいの?
我が家では、息子の公立中高一貫校受検を塾なし(親塾)でサポートしたのですが、その時に学習の中心に使っていたのが四谷大塚さんの予習シリーズでした。
結果は合格。
中学受検には素人の親でしたが、予習シリーズに沿った学習がそのまま道標となってくれました。
何を勉強すればよいのか迷うことなく、必要な単元を漏れなく一通り学習することができたと感じています。
予習シリーズとは、大手塾の四谷大塚さんが作成して使用しているテキストのこと。塾に通っていない一般の方も、中学受験に完全にマッチした内容とレベルのテキストを入手できるのです。
我が家では算数と計算問題集はメイン教材として、理科や社会はサブ教材として使わせていただきました。
自宅学習で使うのに、とても良い教材だと思っています!
ただし!親塾で素人が教えるにはちょっと注意すべきポイントもありました。そこでこの記事では、公立中高一貫校受検で合格できた、我が家の予習シリーズの使い方についてご紹介しています。
簡単に結論をお伝えしますと、我が家の使い方は次の通りでした。
- 算数は4年生上巻~6年生上巻まで、全期間使っていた
- 塾ペースの進捗は諦めて、ゆっくりでも理解することを意識
- 難しい問題はスキップさせた。「基本問題」までが理解できていればOK
- 理科と社会は、教養を得る狙いだけ。週に一回だけ、それも5年上から6年上の途中で終了。
- 国語は使わなかった(既に使っている教材があったため)
記事ではそれぞれを詳しくお伝えしますが、最初に予習シリーズの特長やメリット・デメリットについてもご紹介させてください。
それらを「どのように自宅学習に活かしたのか」という視点からお話しますので、各ご家庭でも使えそうであれば柔軟に取り入れていただければと思います。
この記事が、自宅学習のお役に立てることを期待しています。
公立中高一貫校の場合、純粋な知識や難易度の高い応用問題は、私立受験のようには求められません。
なので予習シリーズの使い方も「限られた範囲をゆっくりと深く」という感じです。
その前提で参考にしていただければと思います。
塾なしの自宅学習のために、四谷大塚さんの予習シリーズが選ばれる理由
塾なし・自宅学習で中学受験をされる多くのご家庭で、勉強の教材に予習シリーズが選ばれています。
予習シリーズを上手く使いこなすために「なぜ予習シリーズが選ばれるのか」、まずは確認しましょう。
予習シリーズとは?=受験勉強のメインテキスト
予習シリーズは、塾なし/親塾による中学受験勉強で、メインテキスト(教科書)として利用されていることが多い教材です。
予習シリーズを使うことで、正しい順番で受験勉強ができるためです。
予習シリーズには中学受験に必要な基礎知識がまとめられていて、かつ勉強しやすい順番に並べられています。そのため、予習シリーズに沿った勉強をすることで、親に中学受験の知識が無くても、受験範囲の全般を計画的に学べるのです。
予習シリーズは四谷大塚さんだけでなく、多くの中小規模の塾でも教科書として使われてるほどの教材なんですよ。
そのため、多くの塾でもメイン教材に利用されるし、自宅学習でも使いやすいのです。
具体的には、下記3点のメリットを感じています。
- 学習するべき単元が、漏れなく網羅されている
- 予習のために使うテキストなので、初見でもわかりやすい作りになっている
- 問題・解説が充実しているため
詳しくご紹介しますね。
学習するべき単元が、漏れなく網羅されている
予習シリーズには中学受験のために学習するべき範囲が理解できる順で網羅されています。
そのため、これに沿って勉強を進めれば必要なことを学べること。これが予習シリーズが親塾で使われる大きな理由です。
親が中学受験の勉強を教える難しさには、試験範囲の把握の難しさがあるかと思います。
「どんな問題が出るの?」「そのためには、何を教えればいいの」という全体の地図がわからないですよね。
特に中学受験問題は、小学校で習う範囲を超えています。
小学校の学習指導要綱を超えないはずの公立中高一貫校であっても、実際には算数の特殊算や解法を知っていることで非常に有利になる問題も出題されます。
小学校の範囲を超えた勉強を家庭でするためには、何を勉強すればよいのか、どこまでやればいいのか、試験範囲全体を把握することがとても大切です。そのために予習シリーズは使い勝手がとても良いのです。
予習のために使うテキストなので、初見でもわかりやすいため
予習シリーズは、予習するのに使うためのテキストです。
そのため内容が、初めてその単元を学ぶ人にとってもわかりやすい作りになっています。
例えば算数の場合、一つの単元の中で、基本的な知識と例題・類題がいくつか掲載されています。これに沿って学んでいくことで、この単元で学ぶことの基本を理解できるのです。
子供だけでは難しいかもしれませんが、大人であれば理解できるので、親が子供に教える際にも非常に参考になる内容なのです。
問題・解説が充実しているため
予習シリーズは、解説が充実しているので、親でも教えやすいと言われています。
解説は別冊になっていて、例えば算数では途中式まで含めて解説されているので、素人の親でも理解しやすいと言えます。
また解説と同様に、テキストに含まれる問題も充実しています。
まず、「例題」と「類題」がいくつかあって単元内のポイントを学ぶのですが、それぞれの単元の最後に、「基本問題」と「練習問題」という難易度を変えて確認できる問題がまとめられています。
一つの単元が、次のような作りになってるわけです。
- 単元で新しく学ぶ「例題」+「類題」がいくつか
- 「応用問題」が一問(これはできなくてOK!)
- この単元で習ったことの「基本問題」
- 少し難易度があがった「練習問題」
これ一冊でも、しっかりと問題数を確保できるのです。
教科書であると同時に、単元に沿った問題と解説も充実している、問題集としての役割も果たしてくれる。
この点も予習シリーズの良い点です。
演習問題など、関連する冊子も充実しているため
予習シリーズは、各学年上下巻に分かれている「教科書」のような立ち位置ですが、それに沿った「演習問題集」も販売されています。
特に私立型を受験される場合、類題を数多く解くというのが大切だと思うのですが、予習シリーズの内容をベースとした演習問題集があることで、たくさんの類題を解くことができます。
また、計算問題や国語で言うと語彙・漢字などのドリルも選べます。
演習問題も充実しているので、同じテキストに基づいた類題もあること。
これも予習シリーズのメリットと言えます。
ただし、我が家では、演習問題は使いませんでした。
「基本問題」を時間をおいて繰り返し解かせるなど、基本を定着させることを意識したためです。
自宅学習で予習シリーズを使って感じたメリットとデメリット
では予習シリーズを使って子供に学習をさせてみて、実際にはどうだったのか。
我が家で使ってみて感じたメリットとデメリットがあったので、それについて紹介します。
予習シリーズを使って感じたメリット
実際に使ってみて、メリットは数多く感じました。
学習の道筋を立ててくれること
塾なしで勉強させる場合、何をどう、どんな順番で教えればいいのか、素人の親には全く分からないと思います。
それを、予習シリーズは教えてくれるのです。
予習シリーズに沿って教えることで、計画的に道筋に沿った学習ができました。
定期的に復習できること
予習シリーズに沿って勉強していると、定期的に復習できるように作られていることがわかります。
例えば、算数のテキストでは単元が第1回から進んでいくわけですが、次の単元の終りに前の単元の問題を解くページが用意されています。
例えば、算数4年生上の第1回の単元は「かけ算とわり算」なのですが、第2回「角の大きさと性質」の最後に、「かけ算とわり算」の「復習問題」が1ページあるのです。
第3回「計算の終りと順序」の最後には、第2回「角の大きさと性質」の復習問題があります。
さらに算数のテキストでは、単元を4つ終えるごとに「総合」という回が設けられていて、そこまでの4つの単元の問題を解く復習回があるのです。
このように、最初から順に解いていくだけで定期的に復習ができる仕組みが入っているので、忘れたころに振り返って思い出す=定着を促すことができます。
ネット上に情報が多いこと
予習シリーズは大変人気のあるテキストなので、ネット上にも情報が多いこと。これもメリットでした。
「予習シリーズは解説が充実している」という評判はあるのですが、それはある程度親にも算数の知識がある場合、或いは一緒に勉強して積み上げてきた親にとっての話。
恥ずかしながら私は、算数を途中から妻に任せていたこともあって、5年生の算数の問題の解説を頼まれて解説を読んでも、理解できないということがありました。
このように親が教えられない問題があっても、ネット上には予習シリーズの解法を教えてくれるサイトや動画が多くあります。
予習シリーズの解説よりもさらにわかりやすく教えてくれるものが多いので、それを一緒に見ることで親子共に学ぶことができました。
非常に助かりました。。
予習シリーズがメジャーなテキストであるために、情報が多いこと。
これもメリットでした。
予習シリーズを使って感じたデメリット
逆にデメリットに感じたこともあります。
デメリット
最大のものは、「ボリュームがありすぎる」ということです。
親塾で素人が教えるには、「どうやってスケジュールに間に合わせるの?」を想像できない量なのです。
塾では不要な単元などを捨てたりしているのかもしれませんが、優先度の色付けもできない私たちでは問題の取捨ができないため、全てを満遍なくやるしかありません。
予習シリーズは、各学年上下巻あります。半年に一冊のペースのはず。
中学受験のカレンダーでは年始は2月なので、2月から始まって7月までが前半、8月から1月までが後半となるのですが、半年ではとても、一冊を終わらせることができませんでした。
もちろんただこなして終わらせるだけなら可能でしょうが、理解させたり身に着けさせたりまでするならば、素人の親にはかなり難しいと思います。
毎日の学習時間を増やさないと無理ではないかと。
我が家は9時に寝るルールだったので、その時間内では無理でした(汗)
このようにボリュームがありすぎるというのが、親塾の我が家にとっては難しいところでした。
ではどう対処したのか、ご紹介します。
デメリットへの対処法
ボリュームがありすぎて期間内に終わらないという問題に関しては、我が家では諦めました。
つまり、「遅れても良し」としたのです。
公立中高一貫校の場合、そこまで高度な算数は不要です。
私立では6年生の下巻(志望校の難易度別の問題)まで必要になるかもしれませんが、公立中高一貫校では5年生テキストの上下を、できれば「練習問題」レベルまで完全に理解できていれば、ある程度戦えそうなことがわかったのです。
そのため、進捗よりもとにかく「理解」を重視することで、このデメリットを回避しました。
塾なし、親塾による自宅学習での予習シリーズの使い方
そんな予習シリーズ、公立中高一貫校受検に合格した我が家ではどのような使い方をしていたのか。具体的にご紹介します。
結論としては、次の通りでした。
- 算数:4年生上から6年生の上までメイン教材とした(直前期まで)
- 理科・社会:5年生以降、用語チェックのためだけに使った
- 国語:使わなかった
なお、基本的に繰り返し使うため、書き込みは一切していません。
間違えた問題にチェックを入れて、2周目や3周目で解けるようになったら消すぐらい。
おかげで3年後輩の長女の今も、そのまま使っています(笑)
では、それぞれ詳しく説明します。
算数編
予習シリーズの算数は、受検勉強の中心として取り組んでいました。
具体的には4年生の上下、5年生の上下、6年生の上まで。
これらのテキストを最初から順番に進めていく、これが受検勉強全体のメインでした。
この取り組みが、合格への力になってくれたと考えています!
ただ、非常にボリュームがあるので、そのまま進めると素人の進行では時間が足りません。
そこで工夫した使い方を、ご紹介します。
進捗よりも理解を重視する
前述したのですが、ボリュームがありすぎたので、通塾している皆さんと同じペースでは進めませんでした。
ある程度身に着けるようにジックリ勉強しようとすると、1冊(例えば4年生の上巻)を半年ではとても終わらないのです。
なので計画通りに進捗を進めるのは早々に諦めて、ひとつひとつ理解することを重視、手戻りを少なくすることを意識しました。
具体的には、次のような取組みです。
- 前日間違った問題、解法が効果的でなかった問題は、翌日の最初に解き直しをする
- 1冊終わったら、次のテキストに移る前に、もう一周各単元の「基本問題」をやり直す
とにかくじっくりと理解する。焦らずに、「考え方を学んで」身に着けること。
この考えは、受検勉強全体でもテーマになっていきました。
スピードを重視したのは、最後の2カ月。過去問をやる時期になってから。
それまではジックリ理解を重視しました。
これができるのが、親塾の良さかもしれません。
参考までに、我が家の過去問対策の時期については別記事にまとめているので、ご興味があれば併せてご覧ください。
親塾ですが、復習重視
算数は先取りになるので、小学校でも習っていない単元を親が教えることになります。
教える内容や順番は、完全に予習シリーズに沿って行いました。
子どもにとって未知のことを、親がホワイトボードを使って、学校の先生のように教えます。
具体的には、
- 「必修例題」を親が教える
- 「類題」を子供が解く
- いくつかの必修例題と類題のあと、単元の最後の「基本問題」を子供が解く
という流れです。
まず、新しい知識の「必修例題」は親が教えながら解きます。そして、同じ問題で数字を変えただけの「類題」があるので、一人でこれを解かせてみます。ここではゆっくり、しっかり教えました。
単元によっては、ここで数日かかります。
特に苦手だったり、本人がイメージしづらい単元が出てきたらどうするか。
その場合は、時間をかけ過ぎないでその単元は後回しで大丈夫です。
単元の全ての例題と類題を終えたら、単元の最後にある「基本問題」を解かせて理解度を確認します。
ここで理解できていない場合は、わかるように教え直します。
少しでも理解が足りていない問題や、式だけ覚えて解法が曖昧な問題は、翌日にも解きなおします。
基本問題も全て解けるようになったら、次の単元に進むのが理想です。ただ、2~3回解いても苦手そうであれば、全ての理解は諦めてサクサクと次に進みます。
苦手問題に時間を取りすぎるのは、時間的にも精神的にも辛いので。
それを繰り返して1冊を使い終えた後、もう一周「基本問題」だけ最初から解きます。
進捗よりも、復習を重視!
ここでも、忘れているところは翌日にやり直しましょう。
5年生からは「練習問題」まで
公立中高一貫校受験をする場合、算数で最も重要になるのは5年生の上下だと思っています。
「速さ」とか「比」とか、重要な単元が満載であるためです。
なので5年生の上下では、「基本問題」までではなく「練習問題」レベルまで理解させるようにしました。
目指すのは、このテキストに載っている全ての問題は見た瞬間に「あぁ、これね」と解法が思い浮かぶ状態。
当然時間がかかるので、5年生のうちには終わらなくてOKです。
しっかり理解して身につけさせることを重視します。
ではどのようにして理解をうながしたのか、ご紹介します。
本人の解説を重視
我が家なりの工夫なのですが、基本的に「親が教えるのではなくて、子どもが説明する」を重視していました。
5年生までは、新しいことを学ぶところまでは親が教えます。
ですが、各テキストの2周目や、6年生になると1周目から、本人がひとりで問題を解いて、その解法を親に教えるという方法になりました。
もちろんわからない問題もありますが、その場合は解答や前のテキストを見返してもOK。動画などの解説もOKです。
正解することが目的ではなく、他人に教えられるほどに「理解すること」を目指していました。
この方法は、とっても良い効果があったと思います。
子どもは説明するためにしっかりと理解ができるし、プレゼン能力も身に付くしと、いいことづくめ。
さらに、教えたり一緒に問題を解いたりする必要が無いので、親の負担が減るという特典付き(笑)。
親は、子供が調べても分からなかった問題だけ、調べて教えます。
子どもが先生になって教えてくれる場合でも、ホワイトボードは便利です!
スペースが広くて式も大きく書けるし、図なども書きやすい。
なにより、先生のように教えられるのが楽しそうでした(笑)
自宅学習にホワイトボードがどれだけ役に立つのか、こちらにまとめているので、ぜひご一読ください。
受検生がいるご家庭には、一家に一台、本当におすすめです!
下の学年の「練習問題」も同時並行で
復習を重視すると繰り返しお伝えしていますが、予習シリーズが一冊終わるのを待って復習するとすると、時間がかかりすぎて以前にやったことを忘れてしまいます。
そこで、以前の予習シリーズの復習も同時並行で行っていました。
例えば5年生上の勉強をしている場合。始めての単元なので難しくて、なかなか進みません。
この時5年生上の勉強に加えて、4年生上下の復習も並行して行うのです。
すでに教えてはいるので、例題や類題は不要。基本問題や練習問題を解くだけ。
これが、驚くほどに覚えていない(笑)。
教えている親としてはがっかりするし、よくこれで5年生の問題に取り組めているなと思うのですが・・。
この復習によって基礎を定期的に学び直せるし、わからないところは自分でもある程度調べられるので親の負担も小さくすみます。
新しい勉強と並行して復習もする。時間がかかる予習シリーズでは、このような使いかたをしていました。
計算問題集は使い、演習問題集は使わなかった
予習シリーズには副教材があります。
例えば「演習問題集」は、テキストで学んだことの演習問題が多く掲載されています。
沢山の問題を解けるので、私立型受験をするには必要であるかもしれません。
ですが、我が家では演習問題は使いませんでした。演習問題までこなす時間がなかったためです。
予習シリーズのテキストの中にも問題は十分あるので、それらをしっかりと、説明できるレベルで理解して定期的に復習することを目指しました。
ただし、計算問題集は購入しました。
これは計算力を高めるため。計算スピードを上げるために、毎朝1ページずつ続けていました。
毎日時間を計って、そのページに記録します。時間を測るのがやりがいになっていたようです。
卓上には常にこれを用意していたので、ボタンを押すだけで時間の計測ができます。
公立中高一貫校受検でも、算数が重視される学校では計算の早さは武器になると思います。
なお、計算問題集だけは直接テキストに答えを書き込んでいました。
これはいま、長女が同じように頑張っています。
計算ドリルには、ガンガンに書き込んでいます!
理科・社会編
公立中高一貫校受検の場合、理科と社会は予習シリーズを使うほどの勉強は不要です。
適性検査では知識を問われるような問題は出題されないので、小学校での授業を身につけられたら知識という点では十分なのです。
塾に通っていないこともあり、我が家ではまず学校での授業を最重視していました。
子供に授業を大事に感じてもらえる声がけについて、別記事でまとめています。併せてご一読ください。
それでも理科と社会の予習シリーズも、5年生と6年生の途中まで使っていました。
息子が理系の知識に興味があること、またマンガを読んで日本史にも興味を持ったことがきっかけです。
さらに理科や社会の知識は、受検に限らず人生を豊かにする教養になりますし、小学校で習う授業の先取りにもなります(報告書対策にもなる)。
中学受検勉強対策ではなくて、本人にも興味があるので、教養として勉強させたという感じでした。
そのため、わざわざ予習シリーズを勉強するという時間は取りません。できるだけ負担を減らすようにしていました。
具体的には、各単元の最期にある問題を、毎週テストするだけ。対象は社会と理科とを、週ごとに交互に行いました。
ポイントは、「問題も答えも、前もって見て覚えちゃってOK」ということ。
要は「週に一回、このページをコピーするから答えを8割ぐらい覚えておいてね」というゆるいものです。
一回だけでいいので、理科と社会の「私立型中学受験レベルの用語に触れておこうか」というだけの狙いです。
6年生の後半は、他の勉強の負担が増えたので理科・社会は止めましたが、本人も気分転換になっていたようで、結果的には良い取り組みだったと思います。
中学での授業でも、ここで触れていた用語が活きているとのことでした。
国語編
国語は、予習シリーズは使いませんでした。
既に取り組んでいるテキストがあったためです。
読解問題と漢字は毎日のように取り組んでいました。
また、公立中高一貫校受検で大事な国語力と言えば、作文です。
作文への取組みの中で、読解力や語彙力、記述力など国語の総合的な力を付けようとしていました。
作文は、高度な情報処理能力が必要になります。
ですが、それは「センス」ではなくて「技術」です。練習すれば、必ず書けるはず。
作文の具体的な対策方法はこちらの記事に纏めているので、併せてご参照ください。
「復習重視」で、苦手はそのまま残す
理解を重視していましたが、どうしても苦手な単元があるかと思います。
例えば、息子の場合は図形系問題が苦手でした。
一方長女は、図形のような具体的な問題が得意で、抽象的な数字を扱う等差数列などが苦手であるようです。
このような苦手な単元は、徹底的にやるのではなくて、サラッと終わらせて次に進むようにしていました。
ひとつの単元に時間がかかりすぎてしまうことがあるからです。最悪なのは、本人が算数嫌いになってしまうこと。
それを避けることは必須となります。
復習で何度か繰り返すので、その時には頭も精神的にも成長していたり、他で学んだことが生きたりして、あっけなく理解できることもあるんですよ。
長男は、6年生の最後まで図形問題は苦手なままでした。
最後の2か月は過去問中心で勉強時間が短くなるので、薄手で簡単な図形問題の問題集を解いて、自信を付けることをしていました。
予習シリーズを使った自宅学習だけで中学受験は可能?
予習シリーズを使った塾なしの自宅学習で、中学受験は可能なのでしょうか?
公立中高一貫校受検であった、我が家の意見としては・・
目指すのが公立中高一貫校受検の場合は、十分可能。
ただし、私立型受験の場合は難しいかも・・
というものです。
詳しくお話します。
目指すのが公立中高一貫校である場合
我が家では勉強として使ったのは算数だけでしたが、もし公立中高一貫校を目指している場合、予習シリーズを使った自宅学習は有効です。
特殊算を身につけることや、算数的に思考する練習に、予習シリーズが非常に役に立ちました。
というか、予習シリーズ無しには勉強できなかったはず。
親塾で使う予習シリーズの問題点は、そのボリュームの多さです。
ただ公立中高一貫校受検の場合は、難易度の高い問題までは不要なので、例えば「5年生の下まで」と絞って勉強することで、あまり時間をかけ過ぎないで進めることができます。
トータルで身に着ける必要がある知識が少ない公立中高一貫校受検では、予習シリーズ一本で算数の基礎力は十分!
6年生になったら公立中高一貫校受検に完全にシフトしたので、銀本を使っての適性検査や作文対策が中心になりましたが、息子が受ける学校は算数が重視されていたので、予習シリーズの算数もサブ的な立場で最後までコツコツと続けました。
銀本については、こちらの記事に詳しくまとめているので、併せてご覧ください。
目指すのが私立中学である場合
私立中学を目指す場合、これは私も経験が無いのではっきりと言えないのですが、親塾では難しいかもしれません。
私立中学は4教科型なので、予習シリーズの内容はまさにマッチする試験だと思うのですが、実際に教えていた立場からすると、予習シリーズのボリュームを4教科全て親が教えるのは、時間的に非常に難しい。
正直、私にはその方法が想像つきません。
ただ、親塾で予習シリーズを使って合格されたかたも、実際にいらっしゃいます。
志望校の出題範囲に合わせた問題までを解くようにする、などの方法ならば可能かもしれません。
また最近は自宅学習のための通信教室も増えました。
個人的には通塾しないメリットを活かしながら、勉強面ではプロに教えてもえらるということで、私立型で通塾しないご家庭には相性が良いと感じています。
親が予習シリーズを教えるのではなく、教材も用意してくれるサービスもあります。
「親の負担を減らす」目的でのオンライン教室についてまとめましたので、ご興味があればこちらも併せてご覧ください。
四谷大塚さんの予習シリーズを購入する方法
四谷大塚さんの予習シリーズは、インターネットで購入できます。
インターネット申込サイトからアクセスして、画面の左側のチェックボックスに欲しいテキストをチェックして、その下にある「検索」ボタンを押下することで、検出します。
「使用期間」で「通年」を選ぶと、なにも検出されない場合があるので注意しましょう。
なお、購入にはアカウントの作成が必要です。
予習シリーズは年に2回購入することになるので、アカウントも作っておくとよいでしょう。
なお、送料手数料が836円もかかります!
算数であればテキスト共に「計算問題集」も一緒に、などまとめて購入されるのがおすすめです。
まとめ
この記事では、自宅学習で予習シリーズの使い方について、成果の出た我が家のケースをご紹介しました。
もう一度まとめますと・・。
- 算数は4年生上巻~6年生上巻まで、全期間使っていた
- 塾ペースの進捗は諦めて、ゆっくりでも理解することを意識
- 最終的には算数は5年生上下が練習問題まで完璧を目指す
- 以前に終わっている予習シリーズも定期的に復習した
- 理科と社会は、教養を得る狙いだけ。週に一度、5年上~6年上の途中で終了
- 国語は使わない(既に使っている教材があったため)
結論としては、公立中高一貫校受検において、算数のテキストは本当に合格への力になってくれました。
特殊算について学べるだけでなく、算数的な思考力を身に着けることも良かったです。
何より、算数が好きになってくれたのが一番の効果であったかもしれません。
ただ一方で、スケジュールを立ててそれ通りに進めようとするには、ボリュームがありすぎると感じました。
ゆっくりで良いので、理解をさせてあげる。
それによって算数が好きになる、自ら取り組めるようになる、というのを理想とした取り組みでした。
この記事が参考になれば、幸いです。
質問などあればお気楽に!