中学受検では、志望校の過去問を解くのが必要なのよね?
でも過去問って、いつごろから取り組めばいいの?
この記事では、公立中高一貫校受検で、かつ塾無しの場合の、「過去問っていつから取り組めばいいの?」という疑問について、我が家で結果が出た取り組みについてご紹介します。
過去問題とは、志望校の試験問題として、実際に出題された問題のこと。
学校ごとに出題傾向があるので、過去問題をやりこんで傾向を掴んで対策を取ってから試験本番に臨むことが一般的です。
では、どの時期から過去問に入るのが良いのでしょうか?
結論としては、我が家では、本番の2カ月前から過去問に特化しました。この時期を選んだ理由などは後述しますが、
我が家の場合、2カ月前からという短期決戦だったのが、結果的には大成功であったと感じています。
ただ、2カ月前に過去問に入るために備えておくべきこともあります。過去問の開始時期について詳細をお伝えする前に、どのような準備が必要か、どれだけ過去問が重要かについても軽く紹介させてください。
過去問は受検対策の中で最も重要!!
過去問は、受検対策の中で最も、極めて絶対的に重要です!
過去問を解くことでしか、本番用の対策はできないからです。
準備してきたものを本番に向けて集約させる練習
過去問を解く目的は、大きく分けて次の二つです。
- 本番のシミュレーションをするという目的
- これまで培ってきた学力を志望校の対策に向けて特化させ、先鋭化させる
志望校の過去問を解くことで、本番で出題される試験問題がどのようなものなのか。本人が次のようなことを把握できます。
- 傾向を知る
- 難易度を知る
- 時間配分を知る
- 対策を立てる
過去問を解くことで、志望校の試験問題の傾向を知ることができるので、その中で自分の課題を見つけ、対策します。
自分の苦手な分野があればその弱点を埋めたり、時間配分を決めたりする、などの対策が考えられますね。
このように、志望校の試験問題で傾向に対策をして、一点でも多く取るために特化した準備をすること。
そのために、実際に本番で出題された過去問が最重要なのです。
ベースの力が必須
過去問を解く時期までに、ベースとなる力が必要になります。
ベースとなる力とは、ここでは「学力」や「適性検査対策」を意味します。
過去問を解いてそれを活かすためには、志望校の問題の傾向を客観的に理解できるほど、様々な適性検査を解いておく必要があります。また、その傾向に合わせて対策を取るにも、まずはベースとなる学力が必要になるためです。
例えば、銀本で沢山の種類の問題を解いてきた状態で志望校の過去問を解くことで、志望校の問題はどのような傾向なのか、難易度はどれぐらいなのかという特徴を客観的に把握できますよね。これは、親が教えてあげてもダメで、本人が自分の感覚として把握できないと、本人が自主的に伸ばしていくことができないんです。
本番試験で点を取るためには、その特徴に合わせた準備をします。その特徴に合わせて力を集約するために、そもそもベースとなる学力があることが必要です。自力があることで、問題の解き方の工夫など、1点でも多くの点を取れる作戦を立てられるのです。
そもそも、いきなり過去問だけを解いても、難しすぎて自信を無くしてしまうだけかも・・。
過去問を解きながら志望校対策に特化しますが、特化させるだけの力を過去問対策の時期に入る前にしっかり蓄えておきましょう。
公立中高一貫校受検に向けたベースとなる力の付け方については、学年ごとにまとめています。それぞれお子さまの学年に合わせて参考になさってください。
🔗親塾で公立中高一貫校に合格できた、小学4年生時の取り組み【塾無し】
🔗【親塾】公立中高一貫校受検に向けて、5年生でやった勉強法【塾無し】
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過去問はいつ取り組むのか?
最初に、過去問を解く目的と、過去問に取り組むためにはベースとなる力が必要なことをお伝えしました。
その前提で、過去問はいつから取り組むべきなのか、一般的な例と、我が家の例をご紹介します。
結果的には、我が家では過去問対策に入ったあとの、息子の急激な成長によって合格できました。我が家では実績が出た方法なので、参考になれば嬉しいです。
一般的には、6年生の9月から
過去問を始める時期には、塾や講師の先生によって意見が異なる場合があるので、もし塾に通っているとか家庭教師に習っているとかならば、その先生のおっしゃる通りで良いと思います。
一般的には、6年生の9月からと言われていますね。
つまり、6年生の夏休みが終わって、2学期が始まる頃からです。
塾に通っている場合は、夏休みに「夏期講習」をして、それまでに習った総ざらいをした状態で過去問に向かうのだと思います。
我が家は、2カ月前から開始
塾無しでやっていた我が家は、別の方法を取りました。
具体的には、試験の2カ月前になってから過去問を開始。志望校の試験が2月だったので、12月に入ってから取り組みました。
過去問に取り組む期間を2ヶ月に限定したのです。
一般的な例よりも短くした理由は、次の二つです。
- 過去問題数が少ないため
- 一校しか受けないため
- 短期間に集中して、ピークを高くすることを目指したため
それぞれ説明しますね!
過去問題数が少ないため
多くの公立中高一貫校は、まだ開校して長くても10数年しか経っていません。
過去問もその年数分しか無いため、そもそも過去問題の数が少ないのです。
あまり長期間取り組むだけの問題が無いですし、親塾では塾の講師のように多くの類題を用意できるわけでもありません。
基本的に、過去問に入ったらその志望校の問題に特化します。あまり早くから過去問に取りこむと、同じ問題を繰り返すだけになってしまうため、期間を短くしました。
そこまでは銀本ですそ野をできるだけ広げて、短期間で一気に集約するようにしたのです。
一校しか受けないため
公立中高一貫校を受検する場合、各都道府県内の全ての公立中高一貫校が同じ日に検査を実施するため、一校しか受検することはできません。
これはとてもリスクが高いチャレンジではあるのですが、一方で過去問対策は一校分だけでよいので、時間をかけ過ぎないで済むというメリットもあります。
これは私立受験には無い要素ですね。公立中高一貫校受検であるために、期間を短くできました。
また、塾に通っていたら類似問題を出すような学校の過去問題も紹介されるかもしれませんが、親塾ではそこまでの情報は無い方が大半かと思います。その分、志望校一本に特化できる!その分期間も短く集中!!と考えるのもよいかもしれません。
なお余談になりますが、中学受検勉強を長く頑張ってきて、一校しか受けられない公立中高一貫校受検というのは、本当に難しくてリスクが高いものだと改めて感じます。
公立中高一貫校について、私の考え方をまとめた記事があります。もしご興味があればこちらのブログ紹介にも目を通していただけると嬉しいです。
短期間に集中して、ピークを高くすることを目指したため
過去問の時期は、志望校に向けて特化した準備をする時期です。
毎日毎日、志望校の適性検査で点を取るための準備になります。
その特化した取り組みの期間を間延びしないようにして集中を維持して、ピークの期間を短く、そしてピークを高くするために短期間で一気に取り組みました。
保護者の方も、ご自身の入試などで経験があるのではないでしょうか。試験が終わった瞬間から暗記していたものを忘れるという(笑)。つまり試験が終わってピークを越えたわけですが、ピークを作るには気持ちも影響するということですよね。
短時間で特化した練習をするために、集中力を維持できる期間とするために、2カ月に期間を絞ったのです。お子さまと「この日から過去問」と決めておいて、当日は「いよいよだね!」とワクワクするような気持ちで過去問期間に入れたら最高です。
この作戦は我が家では非常に上手くいった感覚がありました。
みるみる過去問を解く力が付いたのです!
作文は、最初の一カ月は「諦めた方が良いのかも・・」と思えるほどにダメダメでしたが、1月に入ってから急激に上達しました。人間の成長曲線の限界値を越えたかのような、想像を超えた急激な成長だったのです。本番では100点換算で75点も取ってくれて、本人は「時間が余った」と言っていました。彼曰く「これまで勉強してきたものが、一気に繋がった感じ」とのことで、彼の中に混在していた要素が一気に集約したということでしょう。
作文以外の総合問題でも、期間を絞ったことで集中力があったと思います。息子を見ていて、彼の感覚が志望校の過去問に合わせてみるみる最適化されている感じがありました。
これらは、短期間で志望校対策に特化した効果ではないかと思っています。
過去問に入る前に、保護者が準備すること
過去問は2カ月前から始めますが、準備としてその前にやっておかなければいけないこともあります。
これはパパさんママさんが頑張るところです!
子供本人には、過去問に取り組む時期まで、志望校の過去問は見ないようにさせたいため。過去問は、本番と同じように初見で解くというのが、とても大事な貴重なものなのです。
なので過去問の準備は、親が頑張りましょう!
過去問を用意する
まず、志望校の過去問を用意しましょう。できるだけ多く、できれば最低でも10年分以上は用意したいところです。
※開校してから10年経っていない場合などは、できるだけ開校以来の全ての過去問を集めましょう。
用意できた過去問の数イコール、初見で問題にチャレンジできる回数になるからです。色々と試行錯誤しながら過去問に取り組むことになるので、一年分でも多いほうが良いのです。
また、試験傾向は途中で変わることがあります。本番当日、これまでの傾向と変わっていた場合、準備ができていないと焦りますよね。過去問を多く用意しておいて、古いほうから数年分追っていくことで、志望校の試験傾向が分かった場合の準備ができるし、どのような変わり方をするのかも体験しておけるのです。
できるだけ多くの問題、そして直近問題までを用意しましょう。
過去問の入手方法はいくつかあります。
- 志望校の公式HPに掲載されているものをダウンロードする
- 出版される志望校の過去問
- 塾で提供されるもの
それぞれについて、説明します。
①学校の公式サイトのものをダウンロードする
この中で、最も大切なのが①の志望校の公式サイトの問題と解答です。
公式サイトの解答が、過去問の出版社や塾が伝える解答よりも絶対的に正しいからです。
なので、必ずダウンロードして内容を確認しましょう。問題をpdf形式でダウンロードしておけば、問題の印刷が楽になりますよ。
そして同じ場所には「出題の基本方針」などのドキュメントもあります。こちらは都立三鷹中さん公式サイトの、過去問が掲載されているページです。
これ学校側が問題を作る方針について書かれたものなので、それを知ることで、学校の考え方や傾向を掴むことができます。
このように、志望校の過去問と解答こそが公式なのでチョー重要なのですが、志望校の過去問だけでは足りません。
理由ふたつあって、過去1〜3年程度の問題しか掲載されてないため、そして、解答に解説がないためです。また、公式サイトでは配点も分からないため、過去問を解いた時の得点の目途を立てづらいということもあります。
過去問は、少なくとも10年分は用意したいので、公式サイトのもの以外も用意が必須になります。ただ、一番正しい正解、目指すべき解答は公式サイトのものなので、この情報は今後も最重視しましょう。
②販売される志望校の過去問題集
市販されている出版社の過去問も入手しやすく、問題を解くのにも有用なので、志望校の過去問題集はぜひ入手しましょう。
出版社の過去問が優れている点は、沢山あります。
- 10年分程度の過去問題が、一冊に収録されている
- 解説が充実している
- 問題の配点が記載されている(公式の配点では無いですが)
- 学校の出題傾向についても言及されているものが多いので、公立中高一貫校受検の経験が少ないパパさんママさんは参考になる
とりあえずは受験年度の最新版(直近の問題が掲載されているもの)は入手しましょう。
最新年度に収録されているよりも前の過去問題を入手したい場合は、Amazonやメルカリ、古本などネットで年度の古い物を探してみるのが良いと思います。
③塾で公開されているもの
中学受験用の塾のサイトに、学校のHPで公開されていた過去問題が見つかる場合があります。
中学受験用の過去問というと、四谷大塚さんの「中学入試過去問データベース」というサイトは有名ですが、2022年現在、残念ながら公立中高一貫校の過去問題は掲載されていないようです。
ですが、小規模で運営していて、目標とする公立中高一貫校を決めている「地元の塾」では、対象の学校の過去問をWebサイトでアップしているところもあります。
学校で以前アップしていた過去問題なので解説がないものがほとんどですが、公式の解答が確認できること、そして古い過去問もpdfで入手できるので、データの管理や印刷がしやすいというメリットがあります。
過去問の傾向を把握する
親が、用意した志望校の試験問題を見て、その傾向を把握しましょう。
具体的には、次のような点をチェックしましょう。
- 適性3まであるのか?2までしかないのか
- 独自問題、共通問題
- 大問がいくつ、小問がいくつ出題されるか
- 大問はそれぞれどのような問題が出題されるか
- 小問はそれぞれどのような問題が出題されるか
- 誰でも解ける問題=差が付かない問題はどれぐらい出るか
- 差が付く問題はどのようなものか
- 志望校の問題の特長は何か?
などなどです。
最初のうちは志望校の過去問題しか見ていないので、特長は分からないかもしれません。
ですが、いずれ銀本などで他校の過去問を大量にこなすので、志望校の出題の傾向を客観的に見られるようになりますよ!
また、書籍の過去問には特長が記載されてあるほか、ネット上で志望校の特徴を教えてくれている方もいらっしゃいます。最初のうちは、こういったものから情報を集めてみましょう。
これらの傾向や特徴を親が知って、その学校の特長に合わせて学習を進めていくことが必要です。
例えば作文では論理的な考え方が必要であれば、論理的な考え方を促す。算数では私立型の準備が必要ならば、早いうちから私立型も学んでおく、などです。
我が家の志望校は算数が独自問題で難しかったので、算数だけは先取り学習をしていました。
東京都立中高一貫校に関しては、各学校の試験要綱(試験の配点など)をまとめた記事があります。都立を受けられる方の参考になるかと思いますので、併せてご一読ください。
令和5年(2023年)東京都立中高一貫校、募集要綱の概要まとめ【配点】【報告書】
志望校の特長・傾向を子供と共有する
子供本人には、過去問を実際に見せることはしません。過去問を解く直前期に、本番と同じように初見で問題を解いてもらうためです。
ですが、子供本人も学校の問題の特長や、どういう傾向があるのかを知っておく必要もあります。
過去問を解く時期までに、出題傾向の多い分野の力を付けておくためです。
そのため、親が把握した志望校の特徴や傾向を、お子さまに伝えましょう。いちど時間を取って伝えたうえで、日々の勉強メニューをそれに即したものにするとか、それに即したマル付けをするなどが良いと思います。
例えば、国語や語彙を重視する学校だから、読解問題などを解いた時に知らない語彙が出てきたらメモって覚えさせてあげるとか、ケタの多い計算が出る学校であればそれの練習もしておく、などです。
我が家でも言葉の言い換えの練習や、論理的な文章の書き方、算数は私立型学習をするなどを行ってきました。
これは、本人も「学校の傾向だから」ということで前向きに取り組んで欲しいところ。そのため、志望校の特徴や傾向は子供と共有しておきましょう。
銀本など幅広い適性検査問題を解かせる
6年生のスタートから過去問対策に突入する試験本番の2カ月前まで、勉強の中心は銀本になりました。
銀本とは、全国の公立中高一貫校の過去問を1冊にまとめたものです。
この銀本をひたすら毎日解くことを、「銀本マラソン」なんて言ったりしますが(笑)、銀本マラソンをすることで、数多くの様々な適性検査問題を解けるため、よく出る問題の「回答する型」のようなものを作れるようになります。
例えば、下記は2022年の東京都立中高一貫校共通問題なのですが、いわゆる「雨温図」と言われる気温と降水量のグラフです。こういった問題は頻出なので、息子は「僕は雨温図問題では、雨量について書くように決めていた」とのことでした。
他には年齢比グラフ(1950年代と最近の高齢化が進んだ各年代の人口グラフなど)についても、回答パターンは決まっていました。
息子曰く、「本番で考えるようでは、時間が足りない」とのことなので、過去問に入る前に銀本で多くの問題に触れて、回答パターンを作っておくのが大切です。
銀本の使いかたについては、こちらの記事でまとめているので、併せて参考になさってください。
【塾なし】公立中高一貫校受検対策に必須!合格した我が家の銀本の活かし方ご紹介
まとめ
いつから過去問を解けばいいのか?という疑問について、我が家で結果が出た時期は「本番の2カ月前から」でした。
理由は、次の3つです。
- 過去問題数が少ないため
- 一校しか受けないため
- 短期間に集中して、ピークを高くすることを目指したため
特に、期間を短くして集中力を高めたことが、我が家では功を奏したと感じています。
ただ、時期が来たら過去問を解けばよいというものでは無くて、その前に備えておくべきものもありました。
過去問を10年分以上は集めておくこと、そして適性検査に向けたベースとなる力を付けておくことがなど大切です。
具体的な過去問の解き方などについては、いま別記事として作成しておりますので、ご期待ください。
過去問題はとても大切です。そして、それまでコツコツと培った力で、思い切りぶつかってチャレンジする機会でもあります。
親子で、楽しみに取り組めると良いですね!
質問などあればお気楽に!