公立中高一貫校受検では作文が出るらしいけど、どうやって勉強させればいいの?
模試の作文で「何を書けばいいのかわからなかった」らしくって、
これからどうすればいいんでしょ。
親塾の場合、国語や算数は教えられても、作文はどうやって教えたら良いのかわからない・・と不安を持たれているパパさんママさんも多いのではないでしょうか。お子さまが作文が苦手で「何を書けばいいのかわからない」なんて言われたら、どこから手を付ければいいのか迷ってしまいますよね。
我が家もそうでした・・。息子は作文が大の苦手。「何書けばいいかわからないんだもん」と開き直ったようなことを言っては、私もイライラさせられていました。。ただ、確かにそうなんです。
今になってから振り返ると、「何を書くか」を考える練習をしていなかったのです。何を書くのかを頭の中で作れないならば当然書くべきものは分からないし、作文を書くためのアウトプットの技術を練習したって意味がないのです。
我が家の親塾では、作文は私が担当して相当な試行錯誤で息子には苦労をさせましたが・・ここに気付いてからその点に注力することで彼も力を付けてくれて、なんと本番で作文75点(100点満点換算)を取って合格できました!作文全然ダメ子が、本番では時間が余ったとまで言っていたほどの成長に繋がってくれたのです。
試行錯誤の中で得た、作文で「何を書けばいいの?」を無くすために育てたい力について、共有したいと思い、この記事を書きました!
作文対策に迷われているパパさんママさんの、参考になれば嬉しいです。
公立中高一貫校受検の作文とは?
先ず作文問題について、もう一度考えてみましょう。
私は親塾の経験から、公立中高一貫校の作文とは次のようなものだと捉えています。
つまり、作文を書く技術だけを見られるだけではないんですね。
作文を書く技術の前に、文章を理解する力や作文の内容を頭の中で作る力が必要で、これが無いと「何を書けばよいのかわからない」状態になってしまう。
この記事では、その「頭の中で作文を作るために必要な力」を、整理してご紹介しています。
「何を書けばいいのか」をわかるために必要な力
「何を書けばいいのか」。要はそれが分かれば良いわけです。
作文であれば、「読書量」とか「文章を書く力」なんかが必要と思われているかもしれません。もちろん読解力や作文を書く力は必須ですが、私は、それだけでは適性検査の作文は書けるようにならないと考えました。「何を書くか」を考えるためには、技術や定番テクニックだけではなく、作文に関しては次の5つの力が必要と考えたのです。
※・・って、ここから大層ご立派なことを書くので、びっくりしないでくださいね!
- 文章から、他人の主張を理解できる
- その主張に対して、自分の意見を持てる
- 自分の意見を、説得力を伴って論理的な文章で伝えられる
- どのような意見が(入試の回答として)正しいのか、理解している(ポジショントークができる)
- 社会問題についての話題を理解できる
ハイ解散!ウチの子には絶対無理だわww
待って待って!もちろんです!!うちの子も、全然できてませんでした。もちろん合格した時にも、完ぺきじゃありません。
むしろ息子は作文は大の苦手!私も何度もサジを投げかけました。それでも息子は少しずつ成長して、6年生の終盤にメリメリと音を立てるかのように加速度的な成熟を見せてくれて間に合った感じです。
これらの力=「作文の内容を作る力」なので、「何を書いたらいいのかわからない」はこれらの力を付けることで解消される、というのが私の考えです。
作文のために育てたい力の詳細
先にあげた5つの力、それぞれを詳細に説明します。
ひとつづつ身に付いてくる感じをお伝えしたいので、ステップで書いています。実際には、同時並行で伸びる感じですが、大雑把にわかりやすく、このように書かせていただきました。
※それぞれ、我が家でやっていた「具体的な鍛え方」があります。それはちょっと長くなりそうなので別記事にしますが、まずはどんなものか紹介させてください。
まず、問題文に対する「読解力」が求められていると思います。
具体的には、他者が書いた文章を読んで、その筆者が言いたいことは何か、主張を掴む力です。
ポイントは、他人の意見であるということ。自分と同じ意見や知っているジャンルのことであればスムーズに理解できるかもしれませんが、他者の意見を理解するのは難しいもの。ましてや人生経験が短い小学生には、どこが意見なのかを読み取ることも、最初は苦労することでしょう。
「自分と異なる意見」であっても、自分が想像していないジャンルの話であっても、その主張を読み取ること。
この読解力が最初に必要だと感じています。
筆者の主張を理解できたら、「その意見に対して自分の意見を持つ」。この力が作文問題の本質ではないかと思います。
読解力でまず筆者の意見を理解できたとして、それを客観的に受け止めた上で「自分の意見」を持つことが大切です。その際に、筆者の意見にただ迎合するのではなく、少し距離を置いて自分の意見を作れるかどうか。
とはいえ、意見の独自性などは不要ですのでご安心ください。小学6年生が持てる「当たり前の意見」でいいのです。むしろ、本心と違っていてもOK!
次にあげる「説得力」と伴って論理的な文章にできるか、意見そのものよりもその点が見られているのだと思います。
②の意見を作文に書く場合に、「僕はこう思う」だけでは足りません。「説得力のある論理的な文章」にする必要があるのです。読者を納得させられる「なぜなら〜」が必要になる、ということですね。
大人になると当たり前なのですが、「意見を述べるには根拠が必要」ですよね。公立中高一貫校受検の作文でも、これは必須です。実際にお子さまが書いた作文の意見に根拠がないと、読んでいて納得できない感覚があります。
ただ、これはイメージするよりも難しいことではありません。読者(採点者)が、「ちゃんと論理的な文章を書いているな」と感じる程度の根拠を加えれば良いだけで、正確なデータに基づくなどは不要です。
自分の意見を論理的に書けるとして、ではどのような意見が求められるでしょうか?採点者が「ウチの学校に来て欲しい」受検生としてふさわしいように、ちょっとあざといですが「望まれる意見」を書かなければいけません。
これ、大人であれば、学校が求める「望まれる意見」って想像がつきますよね。例えば次のようなものです。
- 友人は大切
- 他人の意見も尊重することが大切だ
- 社会の役に立てるように、学びたい
などなど。
しかしこれ、意外と子供ってわかっていないんです。息子もここで苦労しました。
でも大丈夫。ちゃんと練習する方法はあります。とにかく、「どのような意見にするか」という方向性を本人が持てること。これも大事です。
作文の題材が、本人の身近なものでなかったとしても、一般常識としてそのジャンルのことをなんとなくでも知っている、というのも大切です。そのためにはやはり、一般常識というかニュースになるようなこと、社会問題などをある程度は知っているのが良いでしょう。
例えば、コテコテの例ですが、SDGsについての題材になった時に、その題材が社会的に意味するものを理解しないと、「当たり前の意見」を書くことも難しいですよね。
社会問題を知っている、というのも、やはり視野の広い成熟したお子様にとって必要な要素ではないかと思います。
以上、必要になる力を書き出してみました。
まとめ
この記事では、作文で何を書くかのために必要な力を5つご紹介しました。
- 文章から、他人の主張を理解できる
- その主張に対して、自分の意見を持てる
- 自分の意見を、説得力を伴って論理的な文章で伝えられる
- どのような意見が(入試の回答として)正しいのか、理解している(ポジショントークができる)
- 社会問題についての話題を理解できる
これらは一気に身に付くものではなく、作文の練習をしている間に少しずつ身に付くものだと思います。また、最終的に本番で75点取って合格できた息子であっても、全て完ぺきに仕上がったわけでもありません。
ただ、これらの力をじっくりと育むことで「何を問われているからどう回答するか」を考える力が付きます。これによって「何を書けばいいのかわからない」から卒業できる、ということですね。
これらは、精神的にまだ幼いお子さまには難しいと感じます。息子も作文は何度も諦めかけて、6年生の終盤、精神的に成長が見えてきたころに急に形になってきた感じです。
本人の成熟と共に、上にあげた5つのポイントが順々に、あるいは同時進行的に伸びてくる中で、徐々に本人がその感覚を掴んでくる。そして一気に開花する。結果的に、作文の勉強を通じて内面も成長してくれていた、という感じでした。
なので、私論ですが・・。本格的な作文対策は、あまり早い時期から無理をさせない方が良いかもしれません。
今回挙げた5つの力は内面的なもの。最終的にはそれを文章としてアウトプットするための文章力や語彙力なども必要です。では親塾ではどうやって練習させるのか?についてはこちらの記事にまとめましたので、併せてご参照くださいませ。
この記事が参考になりましたら、幸いです。
質問などあればお気楽に!